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本当の目的

「試験だと?」


 シルヴィアが驚いたように聞き返す。


「いつから始まったのかは僕もわからないけど、虹の欠片を採ってくるというクエストは、草原の果てまでたどり着ける実力があるということを試すためのものなんだ。

 だから最初アルフォードさんに依頼されたときは驚いたよ。アルフォードさんにいまさら実力を示す必要なんてないと思うから」


「では、アルフォード様が私たちにこのクエストを任せてくれたのは……」


「シルヴィアたちの実力を試すためと、それだけの実力があると内外に向けて示すためじゃないかな。

 シルヴィアたちの騎士団はまだ出来たばかりだっていってたから、実績を作るためにアルフォードさんが計画したんだと思うよ。実際ここまで来るのはそれなりに大変だからね」


「そうか……。アルフォード様はそこまで私たちのことを気にかけてくれていたのか……」


 シルヴィアが感動したようにつぶやく。

 ここまでたどり着けたことが、それだけの実力を持った証になる。

 しかしすぐに表情を曇らせた。


「だが、ここまでこれたのは私の力ではなく、カイン殿の助力があったためだ。このような有様で認めてもらえたなどと……」


 いかにも真面目なシルヴィアらしい悩み方だった。


「もちろんここまでこれたのは僕だけじゃなく、ライムやエルの助けもあったと思う。だけどそれだけじゃここまでくることは出来ない。みんなが協力し、シルヴィアが率いてきたからこそ、最後まで一人も脱落することなくたどり着けたんだ。シルヴィアと、その騎士団が認められたってことなんだよ」


「そうか……。なるほど、たしかにそうだな。どうやら私はすべて自分一人でできると勘違いしていたようだ。騎士団は私一人ではないのだから、仲間の力を借りることは当然のことだったな。ふっ、それを教える意味もある試練だったというわけか」


「さすがにそこまでは僕も分からないけど……、でも、昔から王都では行われてるみたいだったし、きっと深い意味があるんだろうね」


 僕も昔ここで似たような騎士団の人たちに会ったことがあるから知ってただけなんだけど。


「なにからなにまで助けてもらいっぱなしだったな。ありがとうカイン殿。貴方がいなければここまでは来れなかっただろう」


「気にしないで。困ってるときはお互い様でしょ。僕だって一人じゃ何もできないし」


 これで一件落着。

 あとは引き返すだけだ。

 そう思ってたとき、エルが不思議そうにたずねてきた。


「キミたちは虹の欠片を取りに来たんじゃないの?」


「それはそうなんだけど……」


 うーん、なんていったらいいのかな。


「そういう名目だったけど、本当の目的は別にあったんだよ」


「でも……」


 僕の説明だと納得がいかなかったのか、エルはやっぱり首を傾げていた。

 そして衝撃の事実を告げた。


「虹の欠片ならこの先にあるよ?」

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