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果ての草原のモンスターたち

 エルのいうとおり、草原の奥に進むほど強力なモンスターを見かけるようになってきた。


 岩と土の混合精霊ロックゴーレム。

 一つ目の巨人サイクロプス。

 翼持つ馬の幻想獣ヒポグリフ。


 どれも普段は見かけることもない強力な魔物たちで、討伐隊を組織するなら百人規模になるようなものばかり。

 モンスターランクもSSからSSSを超える。

 まともに戦ったらどれか一匹相手にするだけでも全滅の危険があるような相手だ。

 だけど……。


「ロックゴーレムって、土の精霊ノームの影響を受けて意志を持ったものなんだ。だからノームに語りかければ……。ほら、土と石に戻っちゃうんだ」


「ボクたちはこの先に用事があるんだ。今日のところは通してくれないかな?」

「……ワカッ、タ」


「カインさん知ってますか? 馬って美味しいんですよ!」

「ヒヒン!?」


 ライムとエルが手伝ってくれたおかげもあって、なんとか戦いにならずにすんだ。

 ヒポグリフに至ってはものすごい勢いで逃げていったくらいだ。

 僕たちが先頭を歩いていたため、付いてくる形になっていた騎士団の人たちが驚いた目で僕たちを見ている。


「カイン殿は、本当に何者なのだ……」


 シルヴィアが驚きと羨望のまなざしを向けていた。

 どうやら様々なモンスターたちを追い払っていることに驚いてるみたいだ。


「すごいのは僕じゃないよ。ライムとエルが手伝ってくれたおかげだよ」


「いや、カイン殿もロックゴーレムを簡単に無力化してしまったではないか。岩と土でできたゴーレムには鉄の剣は効果が薄い。私たち騎士の天敵といってもいい相手だ。それをあんな簡単に……」


「あれはノームに語りかけただけだから。お願いすれば誰でもできると思うし、難しいことじゃないよ」


 僕がそういうと、シルヴィアが苦笑をうかべた。


「精霊に語りかけるなど、高位のシャーマンが丸一日儀式を行ってようやく一言交わせるかどうかなのだが」


「そうなの?」


 昔から精霊と会うことは多かったから、誰でもできるものだと思ってたけど……。


「もはやこの程度では驚かなくなってしまったな。ドラゴンのみならず、精霊とまで手を取り合えるとは。カイン殿はまさに騎士があるべき姿を体現している。私の理想の男性像そのものだな」




 それからしばらく進んだところであたりも暗くなってきたため、野営をすることになった。

 戦闘はなかったとはいえ、やっぱり騎士の人たちの疲れが目立って見えた。

 僕たちと違って全身を鎧で固めているし、常に周囲を警戒しているため緊張しっぱなしだろうからね。


「……うん、決めた」


「どうしたんですかカインさん?」


「少しやりたいことができてね。ライムと、それからエルも手伝ってくれるかな?」


「はい、もちろんです!」


「ボクで役に立てることなら何でもいって」


 二人とも快く了承してくれた。


「ありがとう二人とも。実は探してきてもらいたいものがあるんだ」


 僕一人だと量も多くて大変だったけど、二人も手伝ってくれるなら百人力だからね。

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