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夢の中で会いましょう◇

 朝、目が覚めると、背中に女の子の抱きつく感触があった。


「うわあっ!」


 飛び起きながら、だんだんと意識がはっきりしてきた。

 どうして僕の家に女の子が、と思ったけど、この寝息はライムのものだ。


 そういえば昨日は夜も遅かったから、僕の家に泊まってもらうことにしたんだっけ。

 でも僕は床で寝ることにして、ライムはベッドで寝ていたはず。

 そう思ってベッドのほうを見ると、その上には誰もいなくなっていた。


 どうやら寝ているあいだに僕のとなりにまで移動していたみたいだ。

 すごい寝相だなあ。

 感心していると、ライムが身じろぎするように顔を上げた。


「ふわあ……。カインさん……おはようございます。もしかして……朝から交尾ですか……?」


「あ、いや、そういうつもりじゃなくて……!」


 朝起きたらとなりに知らない男がいる。なんて状況になったら普通は不安に思うのも仕方ない。

 そう思って慌てて離れたんだけど、ライムはどことなくうっとりとした声音でつぶやく。


「わたしたちのあいだでは繁殖は夜に行うものでしたが……人間は朝に行うものだったんですね……」


「い、いや、そういうわけじゃなくて……!」


「でも、交尾はたくさんのエネルギーを消費するんですから、まずは朝ご飯をちゃんと取ってからでないといけないんですよ……?」


「あ、うん、そうなんだ……」


 そういう問題でいいのかな?




 だからというわけでもないけれど、まだ少し寝ぼけていたライムと一緒に朝ご飯を取ることにした。

 ご飯を口にしたとたん、半分閉じていたライムの目がぱっちりと見開いた。


「はわぁ……。カインさんの作る料理は美味しいから大好きですぅ……」


 ライムが至福の表情を浮かべている。

 早くも顔の形が崩れ、物理的にだらしない表情となっていた。

 口もなんかよだれが垂れてるみたいになってるし。

 いや、本当によだれを垂らしてるのかも。


 朝ご飯は大したものじゃなかったけど、ライムは美味しそうに食べてくれた。

 ライムはちょっと食いしん坊なところがある。

 少し多めに作ったつもりだったんだけど、結局残さずに平らげてちゃったし。


「そういってくれると作りがいがあってうれしいよ」


 いつもは一人だったから、一緒に食べるご飯がこんなに楽しいなんて知らなかったな。

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