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ヲタ村の新人冒険者

またしばらくおつきあい下さい。


細かい描写が苦手ですので、本文なのにあらすじ感満載みたいな……w


 初めての町に二人は背の高い塔がいくつもそびえ立つ様を眺めた。

 二人とはミイとウィでも、ナナ○とポン○でもなく、アンナとわしだ。


 ヲタ村の評判調査を兼ねて二人は名前を変えた修行の旅をしている。

 同村の訓練所でAランクの腕前を披露してもらったのだがぢつのところ、アンナ嬢はポンコツだったのだ。


 パーティで動く中、本人の意図せぬままに比較的難度の低い役を受け持ち、反して評価ポイントを実力以上に貰っていたのだろう。

 知らなかったとはいえ、ショックを受けて2~3ヶ月引きこもったほどだ。


 動画を撮っていたわしは、あっちのわしに見せたところ数日してアバターの高笑いファイルを送り返してきた。

 次の日から閉じこもった部屋の前で、毎朝大音量で流してやったら何日かしてとうとう顔を真っ赤にして出てきた。

 訓練所の基礎コース受講の手続きを終えて、シューロをはじめとするパーティ全員に一人ずつ解散したいと伝えて回った。


 シューロには何時用意していたのか、自分の警護のために中央での勉学を途中で切り上げさせて呼び寄せていたからと、復学できるようにと父の紹介状と路銀などを持たせて中央へ向かわせた。


 もちろん素直にはいかず、いつのまにか巻き込まれていたわしとパーティを組むからと納得させて落ち着いたのじゃが、わしが何故ポンコツのお守りなんだYoーと、心の中で叫んでいた。

 残りのメンバーは新たに、AFC(アンナファンクラブ)というグーループをつくりヲタ村を拠点に冒険業を続けることになる。


 そうそう村の集会場には目立つところに、誰が置いたのか聖女像と画が飾られていて、なぜかアンナ似の聖女で左右にわしとミィ似の幼児が……気にしたら負けかも。

 とことなくポン○の造形タッチに近いような近く無いような。


 ヲタ村のギルドで偽名を使い、新たに登録をしたアンナとわし。

 ふと思うのじゃがわしまで新規登録は必要じゃったかのお。

 パリス・バケット町とヲタ村の登録証があるのだが、根っこが別だからいいのかも。

 たとえばだが、幾つかあるコンビニのポイントカードだと、目的別に使うのなら2~3つ作るよな。

 アンナが基礎訓練をやり直していたころ、わしは初級クエストを数こなしていた。たまにクラブの応援をもらって中級下位にも参加した。

 ある程度のランク上げは、優遇されるし旅する上で必須だからな。

 旅に出発するときは、アンナとわしは2ランクの差ができていた。もっと差を付けられるのだが、これ以上だとすねちまうからな。


 アンナは基礎が終わって初級訓練に入った。

 意欲は認めるが、学習力はと問われれば、遠い空を眺めていたいなぁと。

 実地経験も必要だからと、訓練の合間に予習と復習になるよなクエストにもつき合わせた。

 お気づきだろうか、クエストの主導権はわしが握っている。ただアンポンタンには気づかせないように誘導している苦労は理解してほしい。

 何度もいうが、すねるとメンゴイ。


 野営訓練もした。


 天幕(テント)と携帯食を揃え、それを車輪の大きなコロコロで村が見えないところまで移動し、薄暗くなるのでせき立てながら設営して、一晩睡眠をとった。


 何かあってはいけないので、こっそりAFCの皆様方に周囲を固めてもらってはいたのだ。

 安全に野営訓練は終わったが、虫にはまいってしまった。

 以前から虫は苦手なんだ。それとこの二人で夜の警戒なんて無茶だしね。


 数をそろえるとさすがに出費はかさむが、必要だと判断した虫除けと警戒魔道器を用意した。

 荷物としてもかさばるので、これまで冒険で稼いだお金で、中型の|空間魔術が付加された(インベントリ)を買って天幕(テント)と仕舞った。

 あっちのわしに教えてもらったアイテムボックスを開けば、個数制限こそあるが重量無視で持って行くことができるのだが、とりあえず皆にはわしらの能力は秘密にしている。


 あっちのわしとはちぃと違っているが大きな枠ではわしもステータスウインドウが開けられっからプレヤー系なのだろうな。

 この世界で対外的に実力証明となる貢献度だけで付けられるギルドランク。

 なんとなくどっちもこの世界を生きてく上で大事だよな。


 わしがこの世界に来るきっかけとなったあのアプリは、今思えば普通のベータ版でなく開発者用のデバッグ版に近かったのだろうかと思っている。


 ステータスウインドを開き下にある、テキストボックスに『*』が一文字入っている。その下には『Ok』と『clear』が見える。

 たいていあともう一つ『HELP』か『Abort』がありそうなモノだが特にない。

 そういうものなのだろう。


 『*』を『?』に書き換えると、ステータスウインドウのほかに、幾つかのアルファベットと記号を記したダイアログがポップした。


 幾つかの文字と記号を試してみたが今ひとつわからなかったが、少しして、DOSコマンドに近いかもと『?』のあとにダイアログに出ていた、文字を続けて打ち込むと、わしは思っていたことが間違いでなかった思いで笑い転げていた。


 『Status.Look.[41cihgoq]』と入力して『Okを押すが、ナニも起きなかった。

 まさかなぁと最後に『;』を付けて試すと、目的の情報が表された。


 パールじゃねーかよ。こんな場合は、C++かJAVAでしょうが。


 ちなみに[41cihgoq]は、アンナの固有IDだ。そうプレヤーが他人を見るときに頭の上にネームタグがでてて、カーソルを合わせると見えるでしょ。仕様なんでしょうかねえ。


 そしてわしはアンナとともに旅に出た。

 設定としてわしはハーフエルフで父親を探す旅ってことにした。



 旅を初めて数日後。



 観光じゃないけど、観光気分のポンコツは2~3日、同じ町に逗留する。


「ママ、オカネは大丈夫?」

 見渡す限り人気のないトコロだから、浪費の止まらないポンコツに訊く。

 まだ余裕は有るとは思うが、この調子でナニもしない優雅な旅で散財していると、目的地としたトコロまでも持たないし、続けていると腕も落ちる。目立たないように付いてきてくれている、AFCの皆さんだって路銀は必要なんだし、無くなったからって仮に行きにくいしな。


「大丈夫よ。オカネはねぇ、使わないとグルグルしないから、みんながビンボーになるのよ」

「その前にわしらが貧乏にまるのじゃ」

 ポンコツは誰に教わったのか変な理由を誇らしげに言い、使えば減るという身近で切実な現象を理解していない。


「ママ、修行のタメにときどきクエストしようよ」

「えー、だって炮ないよー」

 ナニを言ってんだこやつは。そもそもあんたのランクで危険なクエストなんて受けれないよ。


 説教タイム。


 しめくくりに、最近は一言付けてしまう。

「一遍、5・6回死んできてください」

 しばらくはシュンとしているけど、食事を夾んだり、お風呂に行ったり、眠ったりするとけろっとしている。

 頭の中が、一年中お花畑に何を言っても効果はない。むなしいぜ。


 旅をしているとギルドが採用しているランク分けなどほぼ同じだけど統一されていないことがよく分かる。

 移動が多い商業系ギルドは、いち早く全国統一方式を目指しているのに、土着の冒険者にはいいかもしれないけど旅の冒険者には優しくない。

 すぐにはムリかもしけないが、互助会なんだからと思う。大きな町だと傲慢で怠惰で変な自負の基それが顕著だ。


 だから報酬額は高いけど大きな町の冒険者ギルドは方式の確認ぐらいで素通りし、少し小さめの町でクエストをのんびり受けていく。


 だいたいが採取だとか小動物の駆除の手伝い。ポンコツの金銭感覚は、度し難く路銀と比べると焼け石に水だ。

 一度だけ子守も有ったけど、ポンコツが出来るわけもなくわしが苦労しただけだった。

 そこでわしはヲタ村のダンマスから贈られた腕輪の力とティマースキルを使って変装する。


 仕留めたスライムのエキスに自分の細胞を混合してつながりを強めて体の一部として使うのだ。普段は、普通のスライムのふりをさせている。

 クローンでもない自演ショゴスかな。でも元はスライムだし今は偽装スライムだから、今後もスライムと呼ぼうっと。

 それに眷属として召喚しないと、なぜか思うように動かせないんだ。


 スライムを体にまとい成人男性の姿になる。装備は、休んでいるところを襲おうとしてきた不埒者どもから没収して、インベントリィやアイテムボックスへ収納している。たまにそいつらの持ち物に襲われた相手のモノだろうか女性用の装備もあったので没収しておいた。南無・・・・(合掌礼拝)。


 早寝で寝坊のポンコツだから宿を取る場合は、夜になると変装したわしがクエストを受けに出ていく。

 だいたい報酬がいいのって、討伐とか駆除だったりで、対象モンスターは夜行性だったりおまけにわし、夜目が利くし、膝しまないヨルのほうが体調いいし都合いいんだよね。


 初日は街ブラで、路地裏入り治安維持のお手伝いとかして手間賃もらうんだよね。証拠隠滅というか、生きのいい細胞でスライムの栄養補給?



 目的地への陸路も半分が過ぎ、町から町へ移動する途中で、襲われている商人の馬車を見つけた。

 多勢に無勢で護衛の者も逃げ出したり、外に商人が連れ出されてリンチを受けている。


 うそだろ。


 実力無いのに正義感だけは強いポンコツが走り出していた。

 状況は不利しかないし関わるつもりもなかったが、乗りかかった舟ですな。


 商人も護衛も全滅して、全くの孤軍奮闘。


 おっ、どこからか聞き覚えのある空気を振るわすレシプロエンジンのエキゾースト。


 新手か?


 応援に駆けつけた男については、[Episode 3]へと続きます。


 また『わし』始めました。今回[Episode 3 Before]のわしは少しだけダークを交えていきます。


 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。



仮説:後発で色素の多い人類の祖が、先発の白いネアンデルタール人と北方で出会った古い記憶が基に、白い人『アールヴ/エルフ』の伝説のはじまりのひとつかなぁ、と。


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