表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

一章 夏海

炎が動く夏の海で、炎動夏海(えんどう なつみ)

それが私の名前だ。


お爺ちゃんから聞いた大昔の戦争の話を、時々思い出す。

あれから能力を習得出来るように、色んな事をやった。

どんな能力が発現しても良いように身体を鍛えたし、

古文書や文献などを調べて、能力の発現や歴史について勉強したりもした。

高校に上がってからは、携帯アプリを使って能力を手に入れようともした。

自分が出来る限りの全てを、自分の中ではやってきたつもりだった。

けれど、それと比例せず17歳になった私は今でも何の能力にも恵まれていない。

自分だけが無能力者というレッテル(というか事実)を貼られて、それを覆す事も出来ないことに泣いたりもした。

だけど、何処かで本気の本気じゃなかったのかもしれないーーーー







夏海は毎朝涙を流しながら目覚める。

また、あの夢か…と、涙を拭って寝間着のまま洗面所に向かう。


「今日から新学期…かぁ…」


ため息の様に口から出た言葉だが、決して学校が嫌いなわけではない。ただ、学校を取り巻く環境に馴染めないだけだ。

周り全員が能力に恵まれた世界で、無能力者として生きるのは随分と窮屈だ。

ただ少しだけこの新学期に期待をしていた。なぜなら、クラス替えがあり特別授業(といっても修行のような実習科目)が選択出来るようになるのだ。

この特別授業で、もしかしたら自分は能力者になれるかもしれない。

と胸を躍らせていると、時計の針は8時半を回っていた。


「やばっ…新学期早々遅刻しそう!」


慌てて寝間着から着替え、身支度をして外へ駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ