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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

異世界召喚には『対価』を払え~明らかな人選ミス 編~

掲載日:2016/05/12

とある世界の愚かな国。

その国は、対価を払わずして異世界にある日本という国から、年頃の少年少女を自分勝手な理由で略奪してきた。

異世界の日本人は、『真面目』で『勤勉』だという思い込み。

そんなのは、当然ごく一部である。

そして、異世界には『魔法』『魔術』と呼ばれるものが存在しないと思い込んだことで、その愚かな国は崩壊したのである。

そう、その国は日本にいる性格のよろしくない一人の少女、つまり魔術師を召喚したことが、そもそも失敗の原因である。

のちにその少女は、召喚された異世界で『最も偉大な魔術師』と呼ばれることになるのだが...

もっとも、歴史とは誰かに都合よくむさぼられるものなので、それはそれは都合よく、少女の性格には一切触れられていない。

触れたくもなかったとも言う。


さて、そんな愚かな国の崩壊の一幕____

その日は、少女の心を表すかのようなどんよりした空色。

神聖な教会では、異世界から略奪する生贄を呼びだそうと年を食った神官たちが必死になって召喚魔術の呪文を唱えている。

神官で最も力があり一番老齢である神官が倒れて気絶した時、一人の生贄もとい少女が拒否権なしにこの世界に呼び出された。

そこにいた神官の中で一番若い、と言っても世間一般では老齢の部類に入る神官が少女に呼びかけた。

「よくおいで下さいました。勇者様」

この時、少女は思った。

『テンプレ乙www』と。

「どうか、魔王を倒してください」

少女は、真剣な表情を張り付けた裏で『人にすべての責任を押し付けて、自分だけ安全な場所にいて高みの見物なんて、なんてクズwww』なんて思っています。

そして、少女は思いました。

『この世界に自分を拉致した対価を払わせてやろう』と。

少女は輝かんばかりの笑顔で魔王討伐を了承して、国の最高権力者から対価を払うという言質を取り、即魔王討伐の旅を出発しました。

魔王討伐は少女が転移魔術を使用したことにより、一瞬で決着がつきました。

チート級の魔王よりも、少女の性格が悪く強く賢かったからです。

この時、魔王は思った。

『今度は、人間に生まれて人生を謳歌したい』と。

あと、『部下たちも、人間に生まれ変わらせて』と。


愚かな国は、少女がいともかんたんに魔王を倒したことに驚きました。

実は、この愚かな国は少女が魔王を倒してしまえばこの国に危険が及ぶとし、少女討伐隊を国内の優秀な騎士を集めて結成しようとしていたのです。

ですが、この愚かな国には残念ながらそんな時間は与えられなかった。

少女は愚かな国に戻ると、すぐさま拉致された場所に戻ったのです。

召喚魔術というのは、莫大な魔力を消費するもので簡単に魔力の残留が消えないのです。

少女はその残留する魔力を利用し、『異世界召喚における対価』の魔術の発動をさせました。

これは、少女が愚かな国の最高権力者に『対価を払うことを約束させた』からこの魔術を発動させることができたのです。

異世界召喚における対価の魔術を発動させた時に少女は思った。

『マジで』と。

この愚かな国は、少女以前にたくさんの少年少女を自分に都合よく利用してきたからだ。

少女によって、この愚かな国は今までしてきた異世界召喚の対価を支払うことになったのです。

その対価とは、愚かな国が異世界召喚におけるこれまでの恩恵をなかったことにすること。

愚かな国すべての異世界召喚を喜んだ国民に、その対価を支払わせることなのです。

少女帰還後から十年かけて、国の上層部、ぶっちゃけ身分の貴い方々は簡単に死ねない惨たらしい死、その他はそれ相応の死を迎えたのです。

少女は異世界召喚における対価の魔術を発動させた時に、この愚かな国が異世界召喚を利用した真意を知ることになったのです。

少女は魔術師として優秀すぎたので、魔術を発動させた時に召喚魔術を発動させた神官たちの思念を意図せず読みとったのです。

この愚かな国が、魔界に侵略して不利になったために異世界召喚をしたいうことを。

魔界とは、悪魔たちの住む場所。

悪魔たちの中で一番魔力の強いものが魔王。

少女は、自分の目的のために魔王を殺したことに罪悪感を感じました。

この時、少女を優秀な魔術師として知る者がいればこう思っただろう。

『お前、罪悪感なんて言葉知ってたの?罪悪感を感じる良心なんてあったの?』と。

罪悪感にかられた少女は、この世界において『正しい魔術の使い方』『正しい召還術』を広めました。

この時に、人間国の各国の王は愚かな国が魔界に侵略していたことをはじめて知ったのです。

愚かな国が滅びゆくとき、人間国の各国の王は自業自得と切り捨て見捨てることにしました。

それほど、少女の性格が恐ろしかったのです。

それと同時に、悪魔たちと友好な関係が築けたのです。

結果的に見れば、人間国と魔界にとっては良いことになりました。

そして、ある程度見届けた少女は元の世界に戻って行ったのです。

一部の悪魔たちが、少女を崇拝するのは少女にとって予想外の結果でしょう。






あの愚かな国が完全に滅びてから百年後、少女が殺した魔王は人間に転生しました。

それは、少女が魔王を自分の目的のために殺した対価を少女が支払ったためです。

少女が支払った対価というのは、少女がいた世界での魔術師としての功績における報酬。

異世界の魔術師の条件というのは、性格がよい・罪悪感を感じる・厨二病を発症しているというものは除外される。

性格のよろしくない者しか魔術師になれない。

魔術師として優秀になればなるほど、まあ性格に関しては問うてはいけないという不文律がある。もちろん、少女はこの部類に入る。

そんなこともあり、少女のいた世界の神々はこの魔王に対して土下座する勢いでむっちゃくちゃ罪悪感がありまくりである。

故に、魔王最期の願いを叶えた。

『部下たちも、人間に生まれ変わらせて』という。

転生した魔王は、少女が転生させたということで前世の記憶がある。

魔王の当時の部下たちは、神々が転生させたということで前世の記憶はない。

それはともかく、転生した魔王は学校の教師となった。

たった一瞬で少女による恐怖を体感せざるを得なかった教師(元魔王)は、魔術師として優秀なのだが召喚魔術の教師となったのだ。

異世界召喚を二度とさせないことを未来ある子どもたちに教えるために。


教師(元魔王)は、元気な教え子を前にいつものように授業をしていた。

授業内容は、召喚魔術を悪用したあの愚かな国についてだ。

その時に、魔術師家系としては劣等と評価をされている大人しすぎる少女が毒吐いた。

愚かな国に対して、毒吐きまくった。

クラスの教え子たちは、硬直した。硬直するしかなかったともいう。

教師(元魔王)も、硬直した。

そして、大人しすぎる少女以外は授業が終了する鐘の鳴る音を聞き終えるまで固まったままだったという。

硬直が解けた教師(元魔王)は、この時思った。

大人しすぎる少女に対して、実家や親族たちの評価は正しくないのではないかと。

そして、教師(元魔王)は個人的に大人しすぎる少女に魔術を教えることにした。

これには、大人しすぎる少女を心配していた友人たちとその家族は協力し、実家や親族たちは反対した。時間の無駄ではないかと。

大人しすぎる少女の実家や親族たちの反対は、大人しすぎる少女の友人たちの実家の権力で反対意見を握り潰され制裁され沈黙する選択しか許されなかった。

大人しすぎる少女に対する仕打ちを考えれば、自業自得である。

大人しすぎる少女の友人たちとその家族にとっては、『生温すぎる!もっとやれ』な心境ではあるのだが。


十年後、大人しすぎる少女は教師(元魔王)が頭を抱える事態となっていた。

学校在学中にもかかわらず、召喚魔術師として大成した大人しすぎる少女は、悪魔・天使・神・地上最凶の生物ドラゴンを傅かせて従えていたのだ。

ちなみに、少女は召喚魔術師として国に認められた時に実家や親族たちとは縁を完全に切っている。当然の権利とばかりに。

当然、実家や親族たちは反対した。

だが、大人しすぎる少女によって反対意見は悉く潰された。

その時、大人しすぎる少女は太陽のように輝く笑顔で実家や親族たちに毒吐きまくった。

心を抉り、心から屈服させ、心身ともに叩き潰した。

その場にいたいい年こいた大人の第三者は、口を閉ざして一切他者に一言も漏らさなかったという。おもに、恐怖で。

まあ、この教師(元魔王)限定では人には言えない。

本人は気付いていないが。

実はこの教師(元魔王)、召喚する者は魔王である。

今更だが、この世界にいる魔王や悪魔たちはとても平和な生き物だ。

現在の魔王は、平和的に魔界を治めている。

魔王なんて物騒な名称だが、それは思い込み。

現実は別物であるという実例だ。

教師(元魔王)は涙を流しながら、「どうしてこうなった!?」と崩れ落ち、それを魔王がウンウンと頷いて納得する。

この国では、いつものありふれた平和な日常の一コマである。


・この世界では、小中高の一貫教育。

・教師(元魔王)は、外見だけで大人しすぎる少女と言っているが、この少女は外では完璧に猫を被り、実家や親族たちには実力行使して普段からやり返している。

『可哀想』というのは、世間一般の認識である。



読んでくださって、ありがとうございます。


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