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採取散歩2

フィールド:財宝庫


見上げても頂上が見えない金貨、銀貨、銅貨の山々。

やけにキラキラしている木。

拳大の宝石の山。

純金製だろう装飾品が溢れ出ている巨大な宝箱。

ちょっとした山になっている金塊etc。

何処からどう見てもお宝部屋、サービスタイムですね。

色々あったことへのご褒美ですか?ありがとうございます。

背中にくっついているノワールもなんだか嬉しそうだ。

竜は財宝の守護者だっていうから、お宝に反応しちゃうのは本能的なことなのかもしれない。

アイテムボックスと一体化しているから自分で集める必要はないんだけど、コレクターとしては集めたくなるのだよ。【まとめて回収】によって財宝庫がカラになると、驚きのあまりノワールは背中から落ちそうになっていた。

そりゃ全部消えたらそういう反応するよな。

しかも数秒で元通り。

驚かない方がおかしいわ。

自動的にアイテムボックスに入ってくるから3回くらいでやめておいた。

この先はこれでいこう。

【まとめて回収】を数回使って、気になるのを見て次へ行く。

こうしないといつまでも散歩が終わらないというこどに今気づいたよ。

お宝を避けながら気になっていたキラキラの木に向かう。




宝石の木


葉、実、花、枝、幹の全てが宝石


異界のダンジョンにのみ存在




金と銀の実のなる木


その名の通り金と銀の実がなる木


モンスターが食べると強化、成長、稀に進化


実は高く売れ、おいしい


異界のダンジョン産は効果が高い




「おいしいわ金の実」

おいしいと聞いたら食べるでしょ。

でも中身まで金色だとは思わなかった。

味は林檎。

銀の実はとかじってみたら中身は銀色で味は梨。

じっくり試食をする雪兎の視線の先には2個食いをしているノワール。

腹ペコなのか?

これを必死で探している者が見たら気絶どころかショックでポックリ逝ってしまうのではなかろうか。

確認したところ、どちらも黒金冠マーク。

ちゃんと調べてはいないけど、異界のダンジョン産て意味なのかもしれない。

黒金冠マークな時点でレア度を完全に無視してるんじゃないかな?

散歩が終わったらやらなきゃいけないことがたくさんある。

最優先はスキル、ステータス、アイテムの確認だ。

自分のことを知らずに異世界を満喫できる訳がない。



金の実、銀の実を食べたことでノワールが強化されました


金の実、銀の実を食べたことでノワールが成長しました




ノワールが食べるたびに聞こえてくる強化と成長という言葉。

契約主と契約獣は似るのかしらねー。

でも安心した。

だって食べてもそういう言葉は聞こえてこなかったから。

おや足下にもキラキラが。



黄金花


黄金の花


出現条件など一切不明




このダンジョンは色んな意味で過剰だ。

持ち主が自由人だからというのが一番だろうが、ここまでにしたつもりはない。

そもそも財宝庫なんて作っていないのだ。

宝箱からそこそこ出てくるからいいやと思っていたくらいだ。

なのにある。

まるで誰かがお詫び代わりに用意したみたいじゃないか。

もしかしたらダンジョンが自ら用意したのかもしれないけどね。

得しかないから文句はないよ?

本来モンスターを倒して得られるはずのアイテムやお金を考えたら、ね?

満足したらしいノワールが背中に戻ってきた。

「次こそ火山かしらねー」





フィールド:火山


ボコボコしている溶岩の海。

思い出したように噴き出すマグマ。

うん、熱くないけど熱い気がする。

どちらもただの風景みたいなものだからダメージやらはないんだけど、色が与える効果ってのはすごいな。

赤は体感温度を実際よりも上げるというのは本当だった。

フィールド全体が赤々としているから余計にそう感じるんだろう。

まずは【まとめて回収】を数回。

何かあるかと探す前にノワールの尻尾が示したのは、本来葉がある部分が炎という大木と、燃え盛る炎が結晶化したような巨木の林。



炎木


その名の通り炎の木


火山に生息


異界のダンジョンにある炎木は通常より炎が大きい


炎に触れても火傷はしないが伐採には高い伐採スキルが必要




炎神木


炎が濃い魔力により結晶化した神木


この木から作られた物には炎の加護が宿る


炎木よりも発見が難しい


高温かつ魔力が強く濃い場所にのみ生息


異界のダンジョンにある炎神木は結晶の透明度、純度が高い


伐採には高い高い伐採スキルが必要




やっぱり異界のダンジョン産て特別なんだ。

自由人の持ち物なんてそんなもんだよね。

森では伐採したけど今回はパス。

回収済だし、現在進行形でアイテムボックスに入ってくる。

「次は……アレか!」




真紅の鉱床


地中のマグマを思わせる鉱床


異界のダンジョン内の火山にのみ存在する固有鉱床



これは採掘しないと何が出るか解らないな。

数回叩いてみたら真紅の石が床を埋めた。




真紅の魔晶石


異界のダンジョンの魔力が結晶化したもの


異界のダンジョンにのみ存在




「魔法使いや魔導師は欲しがるんだろうなこういうの」

魔力が過剰な自分にはあまり意味はないが、こういうのが出たということはいつか使うということだろう。

コレを使って装飾品を作ってみるのもいいかもしれない。

やりたいことが増えるのはいいことだ。

「んー」

森、採掘場、平原、神殿、財宝庫、火山と巡ってきたわけだが、何かが足りない気がしてモヤモヤする。

迷いの森との違いはなんだ?

「……あ」

足りないのは生き物だ。

このダンジョンで会った生き物はノワールだけ。

なんか不自然だと思ったのは生き物がいなかったからか。

なんでもありありダンジョンの欠点だな。

設定の見直しもあるし、あと2つフィールドを見たら家に帰ろう。

いつでも来られるんだから隅から隅まで見る必要はない。

とりあえず見て、帰って、寝よう。






フィールド:雪山


銀世界。

聞いてるだけで寒くなる風の音。

うん、寒くないけど寒い!

火山でも似たようなことあったな。火山と同じくただの風景なんだけど、色効果抜きにしても寒いわ。

火山の時と同じく【まとめて回収】を数回。

さあ雪山固有の木や鉱床は何処だ?と探さなくともノワールが尻尾で教えてくれた。

パッと見て雪が積もっているようにしか見えない大木。




雪の木


その名の通り雪の木


雪山に生息


触れるとひんやりしている


伐採には高い伐採スキルが必要




食材の保管箱をコレで作ったら長持ちしそうだ。

冷蔵庫、こっちにあるんだろうか?

迷いの森とマイダンジョンしか行っていないから有無が解らない。

その辺の確認は気が向いたらにしよう。


「ユキト」


「ん?」

いつ離れたのか、ノワールが何かをくわえて目の前に浮かんでいた。

「なかなかのバリトンボイスだねノワール」

良い声で名前呼ばれるとキュンキュンするわ。

てか喋れたのね。

こっちからの一方通行かと思ってたよ。

ノワールがくわえていたのは大きな雪の結晶。

触れても溶けないのは不思議だが、大きさからして普通の雪の結晶ではないんだろう。




雪の結晶花


特殊な条件下で生まれる雪の花の一種


大きい物ほど稀少価値が高い


稀少さと美しさから求婚に使われる




……最後の一文は、どう反応したらいいんだろう。

好意は受け取ろう、うん。

深い意味はないはず、だ。

ノワールから貰った雪の結晶花には『ノワールから貰った』と説明を加えた。

コレは部屋に飾ろう。

寒くはないけどこんな景色の中にいたら温かいお風呂に入りたくなった。

お風呂は絶対作ろう。

異世界だろうと関係ない。

元の世界と同じクオリティで作ってやる。

定位置となった背中に戻ったノワールと共に雪山固有の鉱床や花を見つけた後、次のフィールドへ向かった。






フィールド:農園


どうやらマイダンジョンは持ち主に食の不安や不満を感じさせたくないようで、あらゆる食材が実っていた。

「何コレ食の楽園?」

フィールドの端が見えないぞオイ。

【まとめて回収】は1回にしておこう。

アイテムボックスに入っているなら腐りはしないだろうが、食べきる自信がない。

全部見るのは無理なので畑だけにしておこう。

といっても、その畑自体が広いので見るのは一部だけ。

何故かキラキラしているトマトを1つ取った。




異界トマト


異界のダンジョンに実るトマト


栄養満点でおいしい




ついに名前にまで異界と表示が。

農園に限らずこのダンジョンにある全てに付いてもおかしくない。

使用と譲渡は本当によく考えないとダメだなと改めて思う。

考えながら食べたトマトはすぐになくなった。

すごくおいしいトマトでした。

リアルでも料理はしていたから料理人という職業を抜きにしてもやれるが、種類はあるものの調味料が限られた数しかないというのが今の悩みだ。

行くのは次回になるが海フィールドはあるので塩は手に入る。

とりあえず塩があれば大丈夫だろう。

日本人としては醤油と味噌が欲しいところだが、それは難しいかもしれない。

メニューのパソ子画面で検索……異世界でネットは繋がるのか?

ダメ元で検索してみたら繋がった。

これで多少のことは調べられる。

本当にやりたい放題だな自由人。

恐いもの無しってこういうことなんだろうな。

8つのフィールドを散歩して見れたのはほんの一部。

まあ時間はたっぷりあるし、一気に見てしまったらおもしろくない。

ちょっとずつ楽しもう。

でも次回は未定だなとあくびをしながら黒霧を通り抜けた。


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