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異世界って不思議なシステム多すぎ

そういえば銀貨一枚っていってたな。

どうしよう。アルシアくれてないかな。アイテムボックス見てみるか。


………銀貨どころか硬貨一枚もない。どうしろと。装備売って金にしろと。装備売ったらそれでどうやって魔物倒せと。くそっ!結局狩りにいかなきゃいけないのか!

でもなあ、明日じゃダメかな。受付のおねえさんに聞くか。


「夕飯だよー」


お。いいタイミング。ばっちりだ。おねえさんの名前も聞いておこう。


「はーい」

「カウンターの横に食堂があるからそこに適当にすわってくれよ。味は保障するよ!」


やっぱり、予想通りおいしいのか……!

はやくいこう。もう腹ペコだ。


料理は、スープとサラダとステーキだった。いかにもそこらの洋風レストランのセットメニューっぽかった。

でも水であのうまさなんだ。これもきっとかなりうまいよな!

いただきまーす!



あ~美味しかった!もうやばい。中学生の語彙では表せない。くっ…こういうときだけは中二病のやつらいいよな。難しい熟語いっぱい知ってるし。いや、きっとこのレベルの料理にごちゃごちゃした評価は不要だろう。一言でいいと思う。


美味かった!!!


「そうかい、そいつは嬉しいねえ」

「っ!なんで聞こえた!?まさか心を…?」

「いやいや、全部口から漏れてたよ。こっちも作ったかいがあるってもんだよ。ありがとう」


恥ずかしい!やばい!話題をそらさねば!


「そういえばおねえさんってなんていう名前?」

「あたしかい?あたしはリンダ。この宿を一人で切り盛りしてんだ」

「一人で?それは大変だね」

「はは、どうせお客なんてたいしてこないしね。あんたが長期滞在してくれなきゃ危ないところだよ」

「その話なんだけどリンダさん。今俺金ないんだ…」

「ははは!お前さんハンターだろ?ギルド行ってクエスト受けてきな。

お金なんてすぐに、とはいわないけど結構早く集まるよ」


その手があったか。ギルド!憧れるよな!


「ありがとう!じゃあ明日行ってみます!

ごちそう様でした!おいしかったです!」

「うん。しっかり休んでくれよ、お休みー」


部屋に駆け足で戻ると、即刻ベッドにダイブした。

…結構痛かった。次からはやめよう。

ベッドの上で、俺は明日のことを考えた。


『考え事ですか?マスター』


ああ。明日のことについて考えていた。


『明日はギルドに行くんですよね?』


そうだよ。


『そういえばアルシア様から聞いたんですけど、マスターたち地球人ってなんでトリップに憧れるんですか?』


そりゃあ……俺たちの世界は勉強に次ぐ勉強でさ、娯楽といったらゲームとか小説やアニメとかだったんだ。その舞台のほとんどは異世界…俺たちの世界とは異なる世界だったんだ。それに憧れるのは当然だよ。


でもまあ…いざ来てみると結構元の世界が恋しいな…。まさし…。凪沙…。みんな…。


『マスター…』


くよくよしても仕方ないよな。アルシアは戻れないって言ってたけど元の世界に戻る方法を探してみるか。ギルドにいけばもしかしたら何か情報があるかも知れないし。


『はい、マスター。っていうか普通に呼び捨てにしてますね…』


じゃあ寝るか。おやすみ、ルッピ。


『はい、お休みなさい。マスター』


初めて異世界にきたのになんでか体が慣れているようで、俺はすぐに寝てしまった。








《……ど……………?》



……誰…だ……?



《……ど……なの……?》



…誰…だ?

…何言ってるかよく聞こえない…



《――――!》



…待てよ…お前は誰なんだ…?



《―――っ!――》



…待て…行くな…!

…お前はいったい…?








『マスター。マスター。朝ですよ。起きてください』


ん?…ああ。


『大丈夫ですか?かなりうなされてましたよ』


ああ。なんか…夢を見ていた気がする…。

なんだかあたたかくて、でもよく分からないような……。

誰かに呼ばれていた気がする…。


『大丈夫ですか?マスター。今日はギルドに行く日ですよ?

それとも今日は休んで明日にしますか?マスター』


いや、大丈夫だ。いこう。


『無理はしないでくださいね?マスター』


おう。まずは朝飯を食べるか。

1階に降りて、カウンターにいたリンダさんに聞いてみる。


「おはよう。リンダさん」

「ん?…ああ、あんたかい。おはよう」

「リンダさん、朝ごはんは昨日のとこで食べられますか?」

「何言ってんだい、朝は普通食べないだろ?

ってまたその口調に戻ってる。やめてくれって」


なん…だ…と…。朝は食べない?これが異世界ってやつか…。

朝ごはんは一日のエネルギーになるからしっかり食べないといけないとか学校で習ったんだが…。文明のレベルが違うせいか?

なら俺が朝ごはんの文化を広めてやる!俺の一日のために!


口調は日本人だからなんか敬語じゃないとなんかしっくり来ない。

でも嫌がってるし頑張って普通の口調でしゃべってみるか。


「ならリンダさん、何か食べるものはない?さっきからお腹がきゅるきゅるいっててさ」

「そうだね…。そういえばリコルの実があったよ。取ってくるからちょっとそこで待っててくれよ」


2,3分もたっただろうか、リンダさんはカウンターに戻ってきた。

なにやらりんごのような物を持っている。


「ほら、これだよ」


リンダさんは俺にりんごのような物を3つ渡してきた。

手にとって一口齧ってみる。


…なんか梨みたいな味。見た目りんごなのに梨。異世界って不思議。


「なかなか美味しいね。ありがとう」

そのまま3つとも食べる。結構お腹が膨れた。

りんごを3つも食べたらそりゃ膨れるだろ、と思った君。りんごじゃなくて梨な。ほんとはリコルの実っていうらしいけど。


お腹が膨れたところで、部屋に戻った。

することがないからルッピと話そう。

ギルドについてとかを聞いてみよう。


『はい。ギルドですね、マスター』


…頭で考えただけで返事してくれた。女神と同じ体質なんだろうな。

よく考えたら昨日も考えてる時に話しかけてきたんだっけ。

一回ルッピに会ってみたいな。


ギルドは後でいいから、ルッピって顕現できないの?


『できますよ?マスター。もしかして、私に会いたいんですか?

そうなんですか?そうなんですか?』


妙にくいついてくるな…。ああ、会いたい。


『そうですか!でも残念。アルシア様に制限されてるんですよ、マスター』


う~ん。なんか直接話してる方が俺はいいんだけどな…。

周りからみたら一人でぶつぶつ言ってるただの変人だしさ。


『そんなに私に会いたいですか?ちょっとアルシア様に相談してみますね』


ルッピがそう言い終わった時になんか頭の中でプツッって聞こえたんだが…。

そういうシステムなのかな?電話っぽいのはきっと俺の気のせいだろう。

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