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覚醒せし竜帝

3ヶ月近く更新できずに誠に申し訳ございませんでした。

いざ学校が始まるとなにも出来ず……。

夏休みに入ったので、毎日塾ではありますが、できるだけ更新したいと思います。

「くそっ!」


こういう時に限って魔法の制御が乱れる。

何度も転びそうになりながらも、俺は前に走っている。

こちらの門は逃げ口には指定されていないのか、人は見当たらない。

まあ、おかげで全力疾走できるのだが。


初級風魔法の高速移動(ハイ・ダッシュ)を発動しながら、走る。


「グオオオオッッ!!」


姿はまだ見えないが、赤竜の咆哮はここまではっきりと響いてくる。

そろそろ見えてくるはずだ。


前方に赤い巨体が見え始める。

どうやら街を壊しながら、進んでいるようだ。

今度は広場に目標を定めたようである。

全身に真紅のオーラを纏っている。


「チッ…。暴れ放題かよ」


ふと、赤竜が足を留め、大きく足を振り上げた。

自然と赤竜の足元に目がいく。

そこで俺は目を大きく見開いた。

ミーシャがいたのだ。


「ミーシャああああ!!」


さっきより魔法の出力を上げて、赤竜の足が振り下ろされるより先にミーシャを救おうと、赤竜の足元に飛び込んだ。

瞬間、とてつもない魔力に吹き飛ばされた。

家屋に背を打ちつけ、肺の中の空気が全て吐き出された。


「かはっ……。うぅ…一体何が…?」


前方に視線を移す。

再度、俺は目を見開いた。


ミーシャを中心に、虹色の魔力のドームが形成されていたのだ。

中にいるミーシャは、どうやら気を失っているようだった。


「なんだこりゃ……」


ミーシャは木属性と空間属性の魔力を保有している。

見た目から判断して、これは空間魔法なのではないだろうか。


「ミーシャって魔法使えたのか?」


思考を巡らせる。


「いや俺が買ったときにはまだってうおおっ!?」


慌てて上から飛んできた炎球を前に回転して避ける。

俺と同じように吹き飛ばされていたらしい赤竜が攻撃してきたようだ。

出鱈目に炎球を吐いている。


ミーシャを覆うドームは、どうやら赤竜の炎球なら防げるようだ。

先ほどから何発か被弾しているが、難なく防いでいる。


ミーシャに攻撃が効かないと理解した赤竜は、俺にターゲットを変えたらしい。

今度はこちらに炎球を連続して吐いてきた。


「ちょ、ま、おい、うわあああああ!」


とりあえず横に転がるようにして避ける。

そのまま攻撃の範囲外に逃げる。


「おい……ありゃチートだろ」


ひとまず鑑定する。

鑑定は目の届く範囲ならどんなに遠くても使えるから非常に便利である。



―――――――――――――――――――――――――――――――――

赤竜(レッドドラゴン)(エンペラー) 竜族

レベル:268 

〔種族スキル〕

・《堅牢なる竜鱗》

如何なるバッドステータスをも受け付けない

・《帝の心得》

Bランクまでの魔物を従える

〔ユニークスキル〕

・《狂乱の闘争心(バーサーカー・ソウル)

自らが強いと認めた生物が戦闘により討伐、あるいは戦闘不能に陥った時、力を解放し、全パラメータが5割上昇する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――


「ユニークスキルまで持ってやがる……」


ユニークスキル。その名の通り、唯一のスキル。

世界で一つしか存在しない代わりに、絶大な効果を持つスキルである。


こいつも、恐らくこの《狂乱の闘争心(バーサーカー・ソウル)》が発動していると思われる。

多分俺のやっつけた銀竜なんだろうなぁ…。

あいつも「帝」の文字を冠する強力な竜だ。


「俺が銀竜を倒したから……か。これは責任を取らないとな」


もう所持している剣はラグナロク以外折れている。

赤竜が消えてしまうが、これを使うしかない。

弾かれると予想されるが、まあそのときはそのときだ。

ミーシャの魔法もいつまで持つか分からないし、早めに決着をつけないと。


ラグナロクの剣先を赤竜に向け、両手で柄を握る。

赤竜までの距離、およそ50メートル。

地球にいた頃の俺はこの距離を走るのに6、7秒はかかっただろう。

しかし、今の俺ならば。

高速移動(ハイ・ダッシュ)も併用すれば、2秒とかからないはず。


剣を強く握って、赤竜を睨み付ける。

息を吐いて、一気に赤竜に肉薄する。

胴の下に潜り込み、胴を目掛けて、一気に剣を振りかぶる。


「はああああっっ!!」


予想していた鈍い手応えは無く、剣を振り切ることに成功する。

思い出したように鮮血が吹き出した。


「え? これってまさか……」


傷口が、段々と黒く変色していく。


「ちょ……嘘……」


3秒と掛からずに、赤竜は全身が変色し、粒子となって消えた。


「またかよ!! あっけな!!」


俺の心からの叫びとは裏腹に、三匹の竜による侵攻は、幕を閉じた。


なお、この戦闘は、後々城塞都市ウルスの歴史の中でも類を見ないほどの災悪と人々の間で言い伝えられるが、それはまた別の話である。


また、予想通り聞こえて来たルッピのアナウンスには、どこか安堵が聞いて取れた。

ルッピも無事そうでなによりだ。

いままでで一番短いかも……(汗)

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