表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/52

36#暴走する救出劇――止まれない前衛

ハイオークが大弓を引き絞り、矢じりがザラを捉える――。


その瞬間、ヨミが叫ぶ。


「レイスさん!“時の狭間にて風を裂き、影より早く我が身を駆る”――とにかく唱えて!」


「えっ、なにそれ――って、もうどうにでもなれ!」


レイスは言われるがまま、意味も分からず復唱した。


「時の狭間にて風を裂き、影より早く我が身を駆る――!」


その瞬間、頭の中に馴染みある皮肉っぽい声が響く。


《お久しぶりです、レイス。もう二度と出番はないのかと心配していましたよ》


同時に、マンデーの冷静な声が続いた。


《詠唱プロンプト受信――内容判定中……

 精霊召喚構文、適合。

 疾風の精霊ヴェリス、呼び出しプロセスを開始します》


頭上に淡い魔法陣が展開され、空気が一気にざわめく。

青白い紋様が渦巻く中、マンデーの声が響く。


《召喚条件、全項目クリア。精霊ヴェリス、出力完了――》


次の瞬間、風をまとった中性的な少年――精霊ヴェリスが、眩い光とともに現れる。


レイスは必死にザラとハイオークの間に割り込もうと急ぐが間に合わない。


「ザラ!!いったん逃げろ、間に合わん!!」


その時、レイスの頭上に風が渦巻き、空中に青白い紋様が浮かび上がる。

そして現れるのは、どこか軽薄そうな少年の姿――精霊ヴェリス。


ヴェリスがウインクしながら手をかざす。


一陣の風がレイスを包み込み、身体が一気に軽くなった――というよりも、

もはや自分の体がついていけないほどの加速。


「ちょ、なんだこれ……速すぎて止まれ――」


レイスは自分の意思より先に身体が前へ飛び出し、制御できないまま一直線にザラへ・・・激突!


ドガッ!


ザラ「~~っ痛った!!・・・・ちょっと馬鹿レイス!あんたのせいで術式が散ったじゃない!」


次の瞬間、ハイオークの矢が二人のすぐ脇を鋭く通過し、地面に深々と突き刺さる。


ヨミ「……わ、わあ……予想外に助かった、のかな?」


ザラは倒れたまま睨みつける。


「レイス、説明は後で必ずしてもらうからね……!」


レイスは地面に顔を埋めたまま、弱々しく手を挙げる。


「……俺にも、何が起きたのか、説明してほしい……」


マンデーの冷静な声がレイスの意識に響く。


《初速100倍、停止制御オプションは未契約です。》


顔面の痛みと、冷たいザラからの刺さる様な視線に耐えるレイス。


「誰か、俺の人生にもブレーキつけてくれ……」


そんな様子を観察する、何者かの視線。


レイスたちはその存在に、まだ気づいていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ