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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

空手ビューティ Episode2  諏訪の序

作者: 武田将小

そこには、2人の女子学生がいた。

高校生。


「あなたは私にとって必要なの」

「せ、先輩にとって必要?」

「そう、必要」


「私のこと愛してる?」

「愛してる」

「だ、だったら」

呼吸が浅くなりながら私は言う。

「私を抱きしめて」

ギュ


過去を思い出し、また嬉しくなる。

空手ビュティー先輩。

優しくてされどキリリとした目、白いマスク。

黒い髪、白いマスク。

クリーム色のカーディガンが似合っててスカート下の脚はすらっとしている。


それに比べて私は、肌は色黒だしあまり痩せてるとは言えない。


先輩の白いマスクをはずした姿は見た事が無い。

どんな素顔をしているんだろう?

マスクの下も美しかったりするんだろうか?


「どうしたの?ボーとして」

急に話しかけられ、私はビックリする。

「あ、いや、なんでもあまりません」

「先輩はかっこいいと思います」

「そんな、三重県にいる普通の女子高校生だよ」

それでも白いマスクと学生服は美しい黒髪に似合っていた


私達は今、諏訪にいた。

甲斐の国、甲府で合流した私達。

私の名は霞、かすみである。


あれ?と私は気付いた。

喫煙している高校生が2人いた。煙草を林の木につけよう

イタズラしようとしていた。

「未成年でタバコを吸うのは止めた方が良いですよ

それに!今、木に火をつけようとしたでしょ!

火事になったらどうするのよ!」

先輩はよくこんな事を堂々と言えるなと思う。


「燃えちまえばいいんだよ!この木々も俺も!」

「何か嫌なことがあったの?」

「うるせえ、俺とそんな歳変わらなそうな女が!

どこの高校かは知らねえがお前、空手ビューティだな?」

「ええ、そうよ」


男子高校生2が空手ビューティ先輩にかかる。

空手ビューティ先輩はよける。

髪がなびく。スカートがひらひらと動く。

少し長期戦に入り空手ビューティは距離をとって黒い学生服の上着を脱ぎ、私に投げる。

「私の上着お願い」

こんな時に先輩の体温を感じて嬉しくなってしまう自分がいて申し訳なくなる。 


先輩はまだ戦っている。

「どれ?素顔がブスかどうか見てやるか」

「そしたらよぉ、噂が立っちまうな」

男子高校生はマスクをとろうと狙い始めた。

「私は空手ビューティ、正体を知られる訳には行かないのよ!」


「こっちも空手だおら」

男子高校生は何度目かの攻撃でカーディガンに当たった。

「お?ふわふわした服の感触だぜ」 


「スキー真剣、ゼッパの舞い!」


空手ビューティ先輩の背中に命中した。

「くっ!」

私霞は加勢に入った。

「先輩!」

しかし私も脚を打ってしまう。

「いたっ!」

「霞!大丈夫?」

「うう、痛いですぅ」

男子高校生2人は笑う。

「へっへっへ」

空手ビューティは戦略を練る。

「あの黒い冬服上着、パッド硬いのよね。

着ておけば良かったわ」

私は上着を返そうとした。

こんな時に汗ばむ先輩の近くにいれる幸せを噛みしめる。


空手ビューティ先輩は言った。

「でも、これに頼ってちゃ強くなれないからね!」

そう言い、霞に着せた。

再びゼッパが霞に当たる。

「もう怒ったんだから!」

ゼッパを強引にとりあげバシバシ叩きまくる。

「いて!いて!」

「先輩!もう1人お願いします!」

「任せて!」

空手ビューティは走る。

「空手分身!」

分身体が攻撃してる間に空きを作り、

空手ビューティは一撃を食らわせた。

「は!」



「いてぇ」

「ちっ、なんだよ、もうチョイで勝てそうだったのによ」

「どこがよ」

霞が言う。

「あなた達、名前は?」

「やくめ」

「やくも」

2人は名乗った。

「へえ、良い名前してるのね」

霞は言う。

「いつか、もう一度♪戦えや♪今度はワンチャンあるからよ♪」

いつか負かして♪いつか泣かして♪素顔を暴く♪あばいてやるぜ♪」

「あばよ、少し楽しかったぜ」

少し晴れやかな顔をし男子高校生2人はバクチクを使い逃げた。


「先輩、大丈夫ですか?」

「ありがとう。あなたも手当てしなきゃね」

「あんな奴らに空手ビューティの素顔を知られる日なんて来ないわ、そうさせるものですか」

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