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二日目

皆さんどうもガクーンです。

2話目にして仲間が登場です。

ではお楽しみください。

 俺の手から離れたサイコロは宙を舞い、台座へと吸い込まれるように落ちていく。


 そのまま台座へと勢い良くぶつかると、その衝撃で数回バウンドし、転がり始める。


 コロコロコロコロ……


「頼むぞ……」


 俺は何の目が出たらいいのかも分からず、ただ手を合わせ、良い目が出ることを祈った。


 サイコロの勢いは落ち、ある目で動きを止める。


 もう止まったか?


 口へと溜まった唾液を飲み込み、ゆっくりと目を開ける。


 するとそこには【7】の目を上にして静止したサイコロの姿があった。


「7……?」


 7の目で止まっているサイコロを確認する。この数字が良い目なのか悪い目なのかも分からずただ茫然と立ち尽くす俺だったが、ある事に気が付く。


「うん? これは……マップか?」


 先ほどまで、見たことも無い文字で埋め尽くされていた文字盤に地図と思われる絵が浮かび上がっていたのだ。


「あっ。何か動いてる」


 突然現れた地図を見ていると、地図上を動く三角形の物体を発見する。その三角形の物体に意識を持っていかれた俺は、じっとその物体を観察する。


 これは一体? 先ほどまでは正体不明の文字が綴られていたが、今はマップ? みたいなモノに変わっていた。サイコロを振る前まではこの様なマップは無かった……という事は、俺がサイコロを振ったからこの現象が起こったという事か? そうだと仮定したら、この動く物体は……まさか。


 その物体は、地図上にある6個の地点を通り過ぎ、7個目の地点で動きを止めた。


「やっぱり……。これは人生ゲームのマップで、動く物体は俺のコマという訳か。という事は、もうすぐ何かが起こるのか?」


 人生ゲームの醍醐味と言えばやはり、マスに止まった際のイベント。このゲームは人生ゲームをモチーフとしているらしいから、マスに止まった今。何か起きるはずなんだが……


 俺の考えの答え合わせをするかのように鳴り響く、軽快なサウンド。


『ラッキーマスに止まりました。レバーを引いてください』


 突然のあたり音と共に、ノクタの音声が聞こえ、レバーが出現する。


 ははっ。何だか知らんが、ラッキーマスと言うぐらいだ。何か良い物が貰えるに違いない。


 先ほどまでの緊張が嘘のように無くなった俺は、顔に笑みを浮かべてレバーに手を掛ける。


「いいの来い!」


 レバーを勢いよく引きながら、良い物が当たるようにと声に力を入れる。


 レバーを引いたと同時に、文字盤の側面のシルエットがスロットの様に回り始める。


「いや、そこが回るのかよ……」


 思ってもみなかった箇所が回転し始めたので、つい本音を漏らしてしまった。


 そうこうしている内に、スロットの回転力が落ちてきている。もうすぐ止まるか?


 シンボルが描かれたリールの部分は徐々に勢いを無くし、とうとうある絵柄で止まった。


「何だこの絵は……人か?」


 近代アートでも見ないような独特な絵柄で描かれていたのは、人の様な顔であった。


「人の様にも見えるし……うーん」


 そんなどうでもいい事を深く考えている時……


『仲間を手に入れました。直ちに転送します』


「仲間? ……って! 何だよこの光!」


 ノクタの声が聞こえたかと思うと、突然文字盤から光の線が放射された。


 その光の線は段々と変形を始め、遂には人型の光を投射し始めたではないか。


 するとその光は段々と輝きを無くし、その場には俺よりも一回り程小さい女の子。いや、美少女が倒れ込んでいた。


 おいおいおい、嘘だろ。何でもありかよこのゲーム。


 現実とは思えないような光景を目の当たりにした俺だったが、実際に目の前で実演されちゃ、信じるほかないだろう。何もない所から女の子が生まれたという事実をな。


 いや待て、まだこの子が本当に人間か分からないだろう。そうだよ。まだ俺を脅かそうとした壮大な仕掛けだったりするかもだからな。


 そんな事を考えながら、指で突っついてみることを決意する。


 よし行くぞ。


 俺は右人差し指に全神経を研ぎ澄ませ、いざファーストタッチ。さぁ、いけ……


「むにゃ……」


 ビクッ!


 女の子から発せられたと思われる吐息に驚き、咄嗟に距離を取る。


 はぁはぁ、まじ焦った。別に悪いことをしようとしていた訳では無いのに、咄嗟に距離を取ってしまった。決して下心を持って行動したわけじゃ無いからな!


 そんな自分の行動に情けなさを感じながらも、ある一つの事は確信を持てた。


「はぁ、流石にこれは言い逃れ出来ないか」


 俺はもう一度ゆっくりと女の子へと近づき、頬を一旦つつき、弾力を味わ……


 いかんいかん。我を忘れる所だった。


 俺は今一度気を確かに持ち、女の子の脈拍を測る。


「脈拍は正常。呼吸もしてるし、これで人間じゃないなんて無理があるよな」


 枝毛の一本も見当たらない美しいスカイブルーの髪を肩まで伸ばし、色白の肌とのコラボレーションが相まってとても綺麗だ。しかも、目は閉じているがまつ毛は長く、人形と言われても納得してしまう美しさだな。


 こんなに美しい人が存在したのかと思った反面。何故か俺はこの子に親しみを感じていた。


 何故だ? こんな綺麗な子を見たら忘れるはずが……っあ。俺、記憶喪失だった……。待てよ? 

何故俺はこんなにもこの子に親しみを感じてるんだ? まさか……一度何処かで会ったことがあるのか? なら俺の事を知ってるかも!


 俺は知りたい。何故このゲームに参加する事になったのか。過去の自分はどの様な人物だったのかを。


 そんな過去の自分が知れるかもと考えていた時、これまでの疲れがどっと体を襲う。


「いろんなことが一度に起きて疲れたな」


 俺は女の子が起きるまで休憩しようと考え、女の子から少し離れると、地面に横になり、段々と瞼を閉じていく。


 こうして俺は女の子が目を覚ますまで、短い眠りにつくのであった。

お読みいただきありがとうございました。

この話が面白いと思った方はブックマークや高評価等をしてもらえると嬉しいです。

3話目、遅くとも4話目ぐらいから戦闘シーンを書ければと思ってます。

では、次回にお会いしましょう。

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