一日目
皆さんどうもガクーンです。
今回は皆さんも一度はやったことがあるであろう人生ゲームがモチーフです。
そんな人生ゲームを異世界版にしてみたらどの様になるのだろうと思い、投稿を始めました。
どうぞお楽しみください。
『___ださい』
頭が痛い……。
ズキズキとした鈍い痛みが俺を襲う。
『__てください』
朧気の意識の中、誰かが俺を呼んでいる事に気が付く。
さっきから聞こえるこの声は一体……?
というか、俺は誰なんだ?
過去の記憶が何一つ思い出せない。何か重要な事を忘れている気もするが……
『起きてください……』
駄目だ。思い出そうとすると余計痛みが襲ってくる。一旦別の事を考えよう。そうだ……ここは何処なんだ?
光が一切差しておらず、辺り一面暗闇に覆われている。
誰か? 誰かいないのか!
『早く起きてください。NO.7 久瑠部直人』
その瞬間。俺の視界に一筋の光が立ち込めたかと思うと、一瞬にして辺りを眩い光が覆いつくした。
「はっ!」
俺は悪夢から目が覚めた様な気分で起き上がる。
はぁ、はぁ、はぁ……
手には大粒の汗を掻き、全身に鳥肌が立っていた。
大丈夫。大丈夫。冷静になれ。そうだ。こうゆう時は深呼吸をすれば。
すぅー、はぁー。すぅー、はぁー。
俺は満足するまで深呼吸を繰り返す。
「よし。大丈夫だ」
落ち着きを取り戻したのを確認した俺は、ふと辺りを見渡す。
「ここは……一体?」
上下左右を見渡しても、一面真っ白な空間。それに……
「あれは……」
俺は立ち上がり、ある方向へと足を進める。
そこには黒い無機質な物体が、ポツンと一つ佇んでいた。
その物体は箱の様にも見えるし、台座の様にも見える。しかし、近くに行ってよく見てみると、それは文字盤である事が分かった。
「これは……文字盤?」
文字盤を上からのぞき込むと、見たことも無いような文字が、書き綴られていた。
「日本語でもないし、英語でもないな……」
一度、文字を目で追っていったが、途中途中文字列が枝分かれを繰り返し、いつの間にかどこを読んでいるのか分からなくなるので、途中で読むのを諦めた。
ん? 何でそんな事をやってるかって? それ以外にやる事が無いからだよ。
この部屋というか、空間にはこの文字盤以外には何一つない。
これから何をすればいいのか、どうやったらこの空間から出られるのか何一つ分からない今、この文字盤を見たり、弄る事しかやることが無いのだ。
「案外、触ったら何か起こったりしてな」
そんな淡い期待を胸に文字盤へ指先が触たその時。
『認証中です。今しばらくお待ちください』
「うわぁ!」
突然の声に尻もちをつく俺。
声がした。機械的な声だったが、明らかに声だった。
『認証完了。おはようございます。NO.7 久瑠部直人。私は人生げぇむ、サポートプログラム。ノクタと申します』
声らしきものは目の前にある文字盤から聞こえる。
久瑠部直人というのは俺の名前だろうが、NO.777や人生げぇむ。訳が分からない単語が色々と出てきた。
「ノクタ? と言ったか? まだ俺は目覚めたばっかりで今がどうゆう状況か飲み込めてないんだ。もし可能であればこの状況を説明してもらいたいんだが」
『承知しました。NO.7 久瑠部直人。あなたは今回、人生げぇむの参加資格を獲得したのでこの場に呼ばれました。これから人生げぇむの説明をするのでよく聞いてください』
待て待て待て、俺が人生げぇむという訳も分からんモノに参加するだと?
「待ってくれ。何故俺がそのゲームに参加しなければならないんだ」
『何を言ってるんですか? このげぇむに参加する方々は皆、自ら望んで参加しています。無論、NO.7 久瑠部直人。あなたもです』
「何? 俺はそんな事に希望した覚えは……痛っ」
またこの頭痛だ。さっきの痛みよりも大きいぞ。
何か思い出そうとすると痛みが走るようになっているのか。
『では、説明に入ります。あなたはこれから……』
急に始まった説明を止めようとノクタに声をかけたが止まる気配は無く、制止する事を一旦止め、話に集中する事にした。
それからは淡々とした説明が続いた。簡単に要約するとこうだ。
1.このゲームは人生ゲームをモチーフとしたもので、目的地にゴールすると何でも一つ願いが叶うらしい。
2.毎回、1~10のサイコロを振り、出た目の数だけ進みことが出来る。
3.死ぬこともあるのでご注意を。
以上だそうだ。
ふざけてるのか? 長々と説明したくせに、言いたいことはこれだけ?
「おい。他にも何か教えて……」
『これ以上NO.7 久瑠部直人の権限では、これ以上回答する事を許されておりません』
うん。もう意味が分からん。何で人生ゲームをこんな場所でやらなければならないんだ? まぁ、人生ゲームをやる事は百歩譲って良しとしよう。
『死ぬこともあるのでご注意を』だって? 一体どうしたら人生ゲームで死ぬ羽目になるんだ!
人生ゲームというのは、出た目に従ってコマを進めて、止まったマスの指示に従って金を稼ぐボードゲームじゃないのか?
俺は与えられた情報を基に、様々な事を思考する。
駄目だ。あれだけの情報じゃ、考えられる事に限りがある。こうなったら……
重い腰を上げ、文字盤の前まで移動する。
「ノクタ。サイコロは何処にある?」
俺が声を掛けると、文字盤の一部が変形をし始める。
「これか……」
どうぞお振り下さいと言わんばかりに、丁度俺が取りやすい位置にサイコロを振る台と、本命のサイコロが姿を現した。
「ノクタ。これを振ったら始まるのか?」
『……』
何の返事もない。ただただそのサイコロを早く振れと言わんばかりの沈黙だ。
「早く振れってか? あぁ、分かったよ! 振ればいいんだろ? 振ればよ!」
俺は自分に大丈夫だと心の中で言い聞かせながら、運命の第一投目を振り投げた。
お読みいただきありがとうございました。
2話目から本当の始まりですので、そこまでは見てもらえると嬉しいです。
この話が面白いと思って頂けたら、ブックマークと高評価をしてもらえると作者が喜びます。
ぜひ次回もお会いできるのを楽しみにしております。ではまた。




