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ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第8章  若き魔導士の追憶
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096  若き魔導士の追憶Ⅸ

「さあ、つべこべ言わずに行きますよ。それとも何かありますか?」



 図書館の外に出ると、エミリーは後ろを振り向き見下ろす。



「ああ、あるさ」



「そうですか。一体何を言い出すんですか?」



「今度の休日、演習場で俺と戦え!」



 デミトロフはエミリーに決闘を申し込んだ。



「分かりました。それで内容はどうするんです?」



「朝の九時。武器は木刀、ペイント銃、人を殺さない武器だ。つまり鋭利の武器を禁ずる。そして、俺の錬金術も同じだ。フィールドは市街地A」



「面白いですね。私に錬金術なしで挑むというわけですか。それで地形を利用すれば私に勝てると?」



「ああ、そうだ。俺はこれでもお前には及ばないが、地形を利用すればそれは五分五分になるだろ?」



 デミトロフはニヤッと、笑う。



「ふふふ……」



「何がおかしい?」



 エミリーが笑う。



「いや、なんでもありません。分かりました。それではジョンの言う通りにしましょう。それで勝利者には?」



「俺の場合は、今後一切、俺がやっている途中で邪魔をしない事だ」



「いいでしょう。それじゃあ、私が買った場合は私のお願い事を一つ聞いてもらいますね」



「いいだろう」



 デミトロフはエミリーの意見もしっかりと聞き頷いた。



 この二人が戦うのは今に始まったことではない。



 幼き頃からエミリーの連戦連勝。



 それはボードゲームも入る。



「それじゃあ、早く帰りますよ」



 エミリーは立ち上がったデミトロフの手を握って歩き出す。



「お、おい! いくらなんでもここまですることはないだろ!」



「いいえ、これはこれ、あれはあれですから……」



「面倒くせぇ女……」



「誉め言葉として受け取っておきます」



 二人は一緒に暮らしている寮へと急いで戻る。



 太陽が西の空へと沈みつつあり、夜は魔法使いや魔女の世界へと変貌する。

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