表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第6章  咎人の罪
77/139

077  咎人の罪Ⅶ

「痛い……」



 二葉は、頭を押さえながらしょんぼりする。



「当たり前だ。生きている人間が痛みを感じないわけがないだろ! 生きている限り痛みはつきものだ!」



「ユーヤみたいな屁理屈を言うんだね。マーキュリーは……」



「あいつと同じにするな。ああ、もう! それにしてもいつまでこんな所にいるつもりだ!」



「合図があるまで……。さっきも一花に言った」



 ちらっと、未だに苛々している一花を見て、二葉は平常心でいる様な態度をしている。



 だが、その内心は自分も行動したのは事実だ。



 ――――遅い……。もうそろそろ始まってもいいはずなのに……。



 ――――なんだか、嫌な予感がする……。



 二葉はそう感じた。



 それを見ていたマーキュリーは、二葉を見ながら裕也達のいる教会を睨みつけた。



 ――――裕也、早めに終わらせて来い。



 その目の瞳の奥には一体何が映っているのだろうか。






 アルブレヒト教会神の聖域――――



 裕也は鎖に繋がれたまま大人しく祭壇の上で待っていた。



 だが、九時を過ぎてもマーロスと総司の姿が見えない。



「おい、マーロス殿は一体何をしているのだ。君、何か聞いていないのかね?」



 立ち合いに来た軍人の中の一人が三久に訊いた。



「あ、はい。もうすぐ来るとおっしゃっていたのですが……」



 三久は困った顔をしながら二人を待ち続けるが、一向に来る気配が無い。



 すると、扉が開き、茶色のマントを着て、フードをかぶった人間が部屋の中へと入ってきた。



 深くフードをかぶっており、その人物が一体誰なのか、認識できない。



 ――――誰?



 三久は目を凝らしながら一体誰なのかと疑う。



「すまない。少し遅れました。皆さま、大変お待たせしました。さて、儀式の方を始めましょうか。軍人の皆様は中央に集まってもらえますでしょうか?」



 フードをかぶった人物・声はマーロスっぽい人物がグルである軍人を中央の祭壇へと呼び寄せた。



「皆さん、ここ一列に並んでください。今から儀式を行う前の準備をいたします」



「教主殿、一体今から何をするつもりなのですか?」



「それはですねぇ……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ