表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第6章  咎人の罪
76/139

076  咎人の罪Ⅵ

「ええ、賢者の石擬きを手に入れましたよ。液体というか個体? そんな感じの赤いやつです。それに錬成陣と魔法陣を合わせた高度な構築を見ましたよ」



『そうか。よくやってくれた。それでなんだが……』



「あいつには秘密なんでしょ。分かっていますよ。俺達、異界人の事が心配でたまらないんですよね、大佐」



『…………』



 向こう側で話をしている男は黙ったまま総司の話を聞く。



「あと一ついいですか? 内通者は、殺してもいいんですかね? それとも捕まえますか?」



『現場のお前に任せる。軍内に内通者がいたとなれば、我々の信頼も失われるだろう。それにお前には仲間がいるだろ?』



「分かりました。じゃあ、俺の手で奴ら全員を殺します」



『気を付けろよ……』



 そう言い残したまま、通信は切れた。



 ――――裕也、俺は俺の目的のために戦う。例え、お前が俺の前に阻むとしても……。



 総司は心の中で誓い、四階にある神の聖域へと階段を昇り始めた。





 同時刻――――



 アルブレヒト教会周辺――――



「二葉、もうすぐ時間よ。準備は出来てる?」



「出来てる。それにしても何も起こらないね……」



 一花と二葉は、高い建物の屋上に上り、上から下を見下ろしながら教会も監視していた。



「ええ、おかしいわ。もう、午後九時になるのよ。月も出ているのに何の動きが無いなんて、そんなのあるわけがない!」



 一花は苛々しながら貧乏ゆすりをしていた。



「もう少し待ってようよ」



 二葉、寒そうにしゃがみ込んで寒さを凌ごうとする。



「二葉よ、なんで私を召喚している。まだ、早いだろ」



 二葉の後ろに立っている彼女の精霊であるマーキュリーが不服そうにしている。



「風から凌ぐため。夜の外は寒いから……」



 マフラーがひらひらと宙を舞う。



「それで私をそんなしょうもない事で呼び出すな!」



「しょうがないよ。寒いから……」



「二度も言うな!」



 マーキュリーは、二葉の頭を勢いよく叩く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ