表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第5章  剣の魔導士とそこにあるもの
57/139

057  剣の魔導士とそこにあるものⅠ

「はっ、はっ、はっ、はっ……」



 紺色のマントを羽織り、フードをかぶった少女が街を駆け抜ける。



 南へ南へと走り続け、曲がり角を何度も曲がり、建物内に入る。



 階段を上り、一つの部屋の前に立ち止まると、その勢いで扉を開け、部屋の中に入る。



 体力のない体を運んできた足は崩れ、前に倒れこむ。



「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」



 胸を押さえながら床に倒れたまま、心臓の鼓動を落ち着かせようと自力で支配しようと感情を抑える。

 流れる汗がポタポタと床に落ちる。



「ど、どうしたんですか⁉ 二葉、顔色が悪いですよ‼」



 三久は様子のおかしい二葉に近寄ると体を起こして、膝の上に顔を乗せ、彼女が落ち着くまで待った。

 少し、怪我を負った所が何箇所かあり、血も流れている。



「三久、二葉が帰ってきたの? じゃあ、裕也もかえ……って、どうしたのよ! 怪我しているじゃない!」



 二葉が帰ってきたのに気付いた一花が、ベットから立ち上がって近づくと、ぐったりとしている二葉を見て驚いた。



 息が上がって、共に行動していたはずの裕也の姿も見当たらない。



 それに二葉が左手に持っていた、折りたたんである一枚の紙に目がいく。



 それを取り上げて開くと、中には何か書かれていた。



「ちょっ、これ……。あんた、裕也はどうしたのよ! ねぇ、二葉!」



「一花、落ち着いて‼ 一体、それには何が書いてあったのですか?」



 三久は一花を落ち着かせ、ゆっくりと床に座らせる。



「落ち着きましたね。それを見せていただけますか?」



「あ、うん……」



 一花は三久に二葉が持っていた紙を渡す。



 じっくりとそこに書かれたある言葉を一言一句読み終えると、三久は溜息をついた。



「はぁ……、なるほど、そういう事ですか……。どおりで二葉しか帰ってこないはずです。それよりもまずは二葉の治療からです一花、二葉をベットの上に寝かせておいてください。私は治療するための材料を今から用意します」



 三久は倒れている二葉を一花に渡し、ベットに寝かせてもらう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ