037 三年後の世界XIV
「大体、なんで少し何かあっただけでそんなに喧嘩できるんだよ……。昼ならまだしも夜することはないだろ……」
三人は正座させられながらバツが悪そうに反省している。
「だって三久が……」
「だって? どう見てもお前ら三人とも悪いだろ!」
一花が口答えすると、裕也は威圧的になり、一花を睨みつける。
「まぁ、ともかくそんなことは置いといてだな……明日は教会とその周辺に行くぞ」
「どうやら、何かあったらしいわね。詳しく聞かせてもらえるかしら?」
「ああ、大佐の話だとここには賢者の石、それと黒魔法が関わっているらしい」
「賢者の石」
「黒魔法……」
三久は賢者の石と聞き、顔が強張る。二葉は少し溜息をついた。
「とにかく、明日から気を引き締めて行動しないとやばいからな」
「それにしても、他に大佐は何も言っていなかったの?」
「言ってない。と、言うよりも後でぶっ殺すと言っておいた」
裕也は立ち上がって、髪の毛に染みついたお湯をタオルでしっかりと拭き取り、そのままベットの上に投げ捨てた。
「明日は早い。早めに寝ておけよ」
「ユーヤは夕食食べないの?」
「食べん。お腹空いてないから俺の分は三人で分けて食べててもいいぞ」
裕也はそう言って、ベットの中に潜り込み、そのまま眠った。
三人は同時に溜息を漏らし、食堂へと足を運んだ。
ウエストシティ・教会地下――――
「教主様、炎の魔導士がこの街にいるとの報告がありました」
「そうか。なら、引き続き監視していろ。決して、何も手を出すんじゃないぞ」
「分かりました」
部下はそのまま部屋から出て行った。
「軍の連中が動き出したか? いや、そんな話は聞いていなかったが……。まあ、いい。返り討ちにするだけだ」
教主は不敵な笑みを浮かべた。