表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第3章  三年後の世界
36/139

036  三年後の世界XIII

「それにしてもあいつ、一体今まで誰と話していたのかしら?」



「たぶん、デミトロフ大佐でしょう。二葉に話があると言っていましたし……」



「民間回線で軍人と連絡? 盗聴されるんじゃないの」



 二葉は整え終えた髪を乾いたタオルでそっと撫でる。



「たぶん、大佐が同じように民間回線に切り替えたと思いますよ」



「ああいうことに関しては抜け目ないのよね、あの大佐」



「ユーヤと似ている。先々と考え、誰にも言わずに自分一人で行動していく」



「確かにあの二人は似ているわ。特に面倒なところがね」



「そうですね。氷と炎は昔からいがみ合っていると言いますしね」



「そんなことわざあったかしら?」



 三人は少し笑いながら裕也が帰ってくるまで二人の嫌みを話し出す。



 夕食の時間までまだ時間があり、裕也が帰ってくる頃にはちょうどいい時間帯になっているだろう。



「それにしても明日からはこういった暇な時間が無さそうね」



「一花はいつも遊びすぎ」



「あんたが言うか! 運動神経鈍いあんたがいつも足を引っ張っているんでしょ!」



「だとして、それ以外でカバーしているから一花よりはマシ」



「何言ってるのよ! 私がいないと攻撃力がいつも下がるでしょ!」



「でも、私がいないとそれが有効活用されるとは限らない」



 一花と二葉はすぐに口喧嘩になる。



「ふ、二人とも今はそんな話をしているんじゃないでしょ!」



「三久は黙ってて!」



「あんたはいいわよね。錬金術でいろんなものを作り出せるから……」



「なら、一花も錬金術師になればよかったんじゃないんですか!」



「そもそも錬金術ってくだらないのよね。魔法に劣っているし、あまり使いどころがないじゃない。創る事しかできないのよ。錬金術師は……」



「何か言いましたか? 錬金術師というのはですね……」



 三久が何か言いだしそうになった時――――



「お前ら! もう少し静かに話せ!」



 と、風呂上がりの裕也が叫びながら部屋に入ってきた。



「おい、そこの三つ子三姉妹! 今は夜で他の部屋には人がいるんだぞ。人の迷惑も少しは考えろ!」



 三人を床に正座させて、裕也は椅子に座り足を組み、腕を組む。



 さすがの裕也も頭を悩ませていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ