表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第3章  三年後の世界
35/139

035  三年後の世界Ⅻ

 男はアルカナに訊く。



「いいのよ。楽しみは後に取っておいた方がいいじゃない?」



「そうだな。獲物は一匹ずつより一気に狩った方が面白いと言うからな……」



「じゃあ、またどこかで会いましょう。ジョン・デミトロフ大佐」



 二人は闇の中へと消えていった。



「待て! 貴様らには訊きたいことが!」



 デミトロフが叫んだ頃には、二人の姿はどこにもいなかった。



 辺りは静かで凍える風が吹いており、デミトロフ以外誰もいない。



「ちっ、奴らが動き出したか。急いで戻らなければ!」



 デミトロフは中央司令部に向かって走り出した。



 早く戻って、彼らの対策を立てなければならない。



 ウエストシティの事は、裕也に任せておけば何とかなるだろうと思った。



 ――――なんで、こんな時に限ってこう易々と立て続けに厄介ことが起きるのだ!



 デミトロフは、夜の街を駆け抜けていった。






 デミトロフと連絡を取り終えた裕也は、一度部屋に戻った。



「ただいま……っ!」



 裕也が部屋に戻ると、三つ子が揃って一階の浴場から戻っていた。



 三人とも髪を下ろしており、同じ服を着ていた。



 やはり、三人揃って同じものを身に付けて、同じ形をしていると見分けが付きにくい。



「ええと、お前、二葉だろ?」



 目の前にいる一人に訊いてみる。



「違います。三久です。いつになったら三人の見分けが付くんですか……」



「え? お前三久だったのか? じゃあ、お前が二葉か?」



「違うわよ。一花。髪の短さを見ればすぐに分かるでしょ!」



 と、椅子に座り鏡を見ながら櫛を使って髪を整えていた。



「私ならこっち……」



 いつの間にか三人目の同じ顔が隣に立っていた。



「おお、こっちが本物か……」



「それで何の用?」



「ああ、後でエミリー大尉と会った時の事を話してくれるか?」



「うん。分かった……」



「じゃあ、俺は風呂に行ってくる」



 裕也はそう言い残すと、部屋から出て行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ