表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第9章  氷の女王
112/139

112  氷の女王XV


 二人の銀弾シルバーブレットが同時に宙を舞う。



 すれすれのすれ違いをし、お互いに目掛けて、飛んでいく。



 ビシッ‼



 スコープに着弾し、体全体に赤色のペイントが飛び散る。



 視界が霞んでどうなったのか状況が分からない。



「そこまで‼」



 二人の間に氷の壁が立ちすくむ。



 そして、氷の壁を歩いてくる一人の男が現れた。



「お前は……」



 デミトロフは、その人物を見る。



 ハウロックだ。



「どちらとも戦闘不能だ。顔に被弾を浴びている」



 ハウロックは双方の顔を見て、勝手に判定を下す。



「まだ終わってない!」



「いいや、終わりだ。お前の顔と、そこの女の顔もどちらとも死んでいる。つまりは引き分けだ」



 ハウロックがそう言うと、戦いは終焉を迎えた。





 デミトロフは控室に戻ると、銃を壁に叩きつけ床に座る。



 ――――くそ‼



 ――――引き分けか……。勝ったと思ったんだけどな。



 デミトロフは、タオルで汗をぬぐって、疲れがゾッと出てくる。



 集中が途切れ、緊張感もなくなった自分の体が重たく感じる。



 手が震え、握力が全く感じない。



「終わりか……」



 天井を見上げると、真っ白な点状が見えた。





 エミリーもまた、控室に戻ると、武器を床に置き、近くに置いてあったソファーの上に寝そべった。



 ――――今回は私の負けですね……。



 ――――まさか、狙撃で引き分けになるとは思いませんでした。



 ――――それに初めて連勝をストップされましたしね。



 エミリーは、悔しそうな顔をしながら目をつぶった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ