表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士  作者: 白魚
第1章  天の災厄
10/139

010  天の災厄Ⅹ

 知り合い誰一人もいない世界。



 そんな世界でたった一人活動している俺は一体この先どうすればいいのだろうか?



 同じ世界に閉じ込められた同じ冒険者の人達は一体どうやって活動しているのだろうか。



 この五年間、毎日ログインしかしてこなかったが、ギルドやパーティーがあることは知っている。それにこの世界はクエストをクリアすることで新たな大陸が少しずつ広がっていくゲームだったはずだ。



 まるで本当の仮想世界だな……。



 しかし、さっき食べた夕食には味がした。それに体の全ての五感がある。



 ゲームにしてはおかしすぎる。リアルな世界に近いと言えば、そうとも言い切れない。



 簡単に物事を理解するには相当な時間が必要になるだろう。



「さて、これからどうするかな……」



 馬に揺れながらゆっくりとセントラルに帰り着いたのは日時をまたいだ真夜中の二時過ぎだった。



 さすがに店は閉まっており、馬から降りると、何も告げずに馬小屋に借りていた馬を戻して、しっかりと手綱を結び、夜のセントラルの街を歩き始めた。



 こんな深夜に開いている店はバーやキャバクラなどそういった大人の店が多く。あまり入る気にならず、近くの公園の土管の中で夜を明かすしかなかった。



 辺りには人の気配もなく、街灯だけがこの土管の周りを照らしていた。



 中は薄暗く、一人くらいが横になって眠れるほどの大きさだった。



 寒い外の中で俺は装備ボックスから毛布を取り出して、体に巻き、寒さをしのぎながら一晩夜を明かした。






 土管の中に光が射し込む頃、俺はようやく重たい目蓋を開いて目を覚ました。



 さすがに疲れ切っていた体も少しは回復しており、土管の外に出ると、もう世間は活動を開始していた。



 街の中では人が行き交い、店もオープンしているところがたくさんあった。



「もう、朝か……。それにしてもここ数日は何と言うか……大変な日だったな……」



 独り言を言いながら公園の水道を使い、寝癖のついた髪を水洗いする。



 そして、大きな欠伸をした後、これからの事を考えた。



 確かにここ数日で一気にレベルが上がったことにはラッキーだったが今後、この訳も分からない世界で一人やっていくのには少し不安である。だが、ギルドやパーティーを自ら人の中に入るのもあまり好きではない。



 ここで立ち止まっていても始まらないと思いながら、街の中をぶらぶらと歩きながら考え始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ