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5-12  ネゴシ草原


結局、孤児院の子とは証明できなかったので、孤児院に置いていくことはできなかった。


心なしか、にこやかに手を振るシスターに、腹が立つ。


馬車に同乗させ、次の町へと旅立った。


変な同行人ができた。


しかし、敵意も悪意も感じない。


いや、むしろ人も気配も感じない?


魔の気配もない。  神の気配もない。


精霊?  妖精?


おお、丁度いい。


丁度今から 精霊の国の 妖精の村に行く予定だから、その辺りでポイしよう。


今はお嬢様についていって、色々レクチャーを受けている。


お嬢様は、赤ちゃんの抱き方について、覚えたことを一生懸命教えている。


もうメリーアンは大きくなったから、子供が抱くのは、重くて無理かもだけど。


でもメリーアン、カボチャを見て怖がらないのか?


むしろ嬉々として手を伸ばしているな。


お嬢様もクランベールも、弟ができたようで、うれしそうだ。


「アル様、あの子はなんなんですか?」


「ニャー(精霊か妖精のようです。 座敷童子さしきわらしとでも思ってください)」


「ざしき、なんですか?」


しまった、異世界の常識だった。  いや、日本だけか。


「ニャー(幸運の妖精、みたいなものでしょうか)」


「なるほど。」


ジャックは、お嬢様に言われて、きれいな服に着替えたようだ。


え?  いつのまに?


頭のカボチャは?  どうやってシャツを着たの?


しまった見逃した。  そんな黒いマントどこにあったの?


そんなにカボチャが好きなら、おやつはカボチャのパイにしよう。


食べるときには、カボチャマスクをとるかな?


とらなかった。


お昼寝のときには脱ぐかな?


脱がなかった。


お風呂のときには脱ぐかな?


脱がなかったそうだ。  やっぱり男の子だったそうだ。


やっぱりしゃべらなかったそうだ。


ジャックは謎の子。


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