5-7 ゾーク街道3 (※イラストあり)
馬車での旅に戻った。
みんな温泉で思い切り羽を伸ばしたので、しばらくは退屈な馬車の旅でも大丈夫だろう。
と思ったら、大型馬車にあおられた。
はじっこを走ってるんだから、急ぐなら真ん中を行けばいいのに。
いくらよけても後ろにつけてくる。
道の脇に出て馬車を止めたら、大型馬車も脇に出て止まった。
「アル、どうして とまったのじゃ?」
「ニャー(後ろの馬車がなにか用があるようなのです)」
本当に用があるといけないので、一応話を聞いてみよう。
用などなかった。
馬車を展開モードで走っていたため、女子供ばかりなのを見て、ちょっかいをかけてきたようだ。
特にメイド姿をしていたドロシーをひっかけに来たらしい。
ここはドロシーにおまかせでいいかな。
クランベールが闇魔法で相手を弱体化し、ドロシーが服だけ切って丸裸にした。
慌てて逃げていく大型貨物馬車。
俺はお嬢様が爆裂を使うのを抑えるのに忙しい。
つまらないめに あったなあ。
「ニャー(二度とこんなことが起こらないように、馬車に幻惑をかけておきますね)」
これで暑苦しいむさいおっさん連中が乗っているようにしか見えない。
とたんにブーイングがあがった。
幻惑でも おっさんになるのは いやだと。
え~?
自分からは見えないんだから いいと思いますが?
もっと乙女心を理解しろ?
うん。 さっぱりわからん。
「ニャー(では、きれいな花籠を運んでいる馬車に偽装しましょうか?)」
それならいい?
チョロイな。
そんなこんなで旅は再開。
次の別れ道を右へ。
この道をまっすぐ行けば、小都市ユシカゴだ。




