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1-8  スードの街3


「ニャー(今日はこの街の冒険者ギルドに行って、冒険者カードを作ろうと思います。 身分証明がないと移動や行動が制限されますから)」


アルがなにやら言っているが、朝は頭がぼんやりしていて何も頭に入らない。


私はいつの間に起きて朝ご飯を食べているのだろう?


それすらも記憶にない。


「ニャー(お嬢様、苦手を克服されましたね。 立派です。 アルはうれしいです)」


アルはなにを言っているんだ? ん? なんだこの味?


げっ! 嫌いなオートミールを知らないうちに食べさせられていたらしい。


とたんに口に広がる嫌悪感。


残りのオートミールの皿をぶちまけた。


なんてものを食べさせるんだ!


決めた、こんなものを食べさせたこの宿を潰してやる!


ついでにこの街も亡きものにしてやろう!


「ニャー(お嬢様? お嬢様が食べるとおっしゃったんですよ?)」


ん?


「ニャー(宿の朝の食事がオートミールだったので、代わりを用意しますと言ったら首を横に振り、オートミールをお食べになるんですかと聞けば首肯されたのです。 その後お召し上がりになっていたのでお褒めしたら急に怒り出されたのです)」


んん?


言われてみればそんなことがあったような気もする。


だが認めることはプライドが許さない。


「アル、くちなおしをたのむのじゃ。」


口直し次第では許してやらぬこともないものとする。


さあ、何を出す?


「ニャー(どうぞ、プリンアラモード と パインロイヤル です)」


うむ、許そう。




冒険者ギルドは古い建物だった。


アルと一緒に入ると、酒臭いような血生臭いような、ともかく臭い匂いがした。


右のほうはカウンター、左のほうは酒場のようだった。


アルはカウンターのほうに行ったので付いていった。


「ニャー(すみません、冒険者登録をしたいのですが)」


酒場では、いかつい格好をした、いかつい男たちが昼間から酒を飲んでいた。


「なんだなんだ? お貴族様の養殖か?」   (※注:ここでいう養殖とは、貴族の子供をレベル上げのために冒険者パーティーの末席に入れて経験値を稼がせる行為のこと)


言葉の意味はよくわからないが、バカにされたことはわかったので、殺すことにした。


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