4-9 アシュレイン国境 (※イラストあり)
精霊国アシュレインとの国境戦線で、魔族軍第7軍の将軍シャーロットは、憤慨していた。
お父様が殺されただと?! 大好きなお父様が!
おのれ第二王子め!
私が地獄に送りたかった!
それにしてもベアトリス!
なにが にこにこ なかよしのくに だ!
お父様の決めた政策を勝手に変えるとは許せん!
「ベアトリスとは誰だ?」
「パオーン(第五王女です。 ヴィクトリア様の次女です)」
側室の子で私より年下ではないか!
なにが まおう だ!
魔王の儀でとっちめてやる!
「ここはまかせる。 魔王城へ行ってくる。」
「パオーン(かしこまりました)」
「あ、シャーロット、丁度いいわ。」
「カトリーヌお姉さま。 いえ、第3軍将軍カトリーヌ様。」
「楽にして。 といっても湖の上ね。 魔王城へ行く?」
「はい、魔王城でベアトリスをとっちめます!」
「それが、そうもいかなくなったの。」
「どうかしましたか?」
「実はベアトリスは、魔王の冠を戴いた正式な魔王の後継者だったの。」
「魔王の冠?」
「そんな、だって、お父様は第二王子に殺されたんじゃ、あ、王子が奪った冠をベアトリスが奪って」
「違うの。 次期魔王の冠。 正統な後継者に授けられる冠なの。 王族が見れば誰でもわかると思うわ。」
「どうして? 私が一番お父様にかわいがられていたはずなのに・・・」
「おそらく生前に用意された魔王の試練をクリアしたんだと思う。 ベアトリスは小さいからたぶん執事の猫と一緒にだと思うけど。」
「そんな・・・では私たちは・・・」
「正統とわかっていて反抗すれば、お父様の意に反することになる。 味方に付くしかないわね。」
「そう・・・ですね・・・お父様の遺志なら尊重しなければ・・・だってお父様の子供ですから。」
「じゃあちょっと顔合わせに行きましょうか。」
「はい。 あ、でもちょっと文句を言うくらいならいいですよね。 姉妹なんだし。」
「ベリーランドってなんじゃいって。」
「それな!」




