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4-4  魔の森4


通常空間に第二王子チャールズがあらわれた。


間一髪、逃げられたのは俺だけか。


あの猫め、よくも王族をこけに


「ニャー(お嬢様、あれが魔王様を殺して魔王を名乗る逆賊、チャールズです)」


「おとうさまをころしたじゃと? チャールズとやら、しね。」


「待て! ベアトリス! 俺はおまえの兄だ!」


ベアトリスが猫を見て、猫がうなずいた。


ははあ、妹はどうやら詳しい事情を知らずに猫の言うままに動いているな。


「ベアトリス、おまえはその猫にだまされている!」


妹が猫を見て、猫が首を振る。


「その猫は兄弟を騙して殺し合いをさせているのだ! その証拠におまえは兄である俺のことを知らずに殺そうとした。 全てその猫の陰謀なのだ!」


妹が猫を見て、猫が首を振る。


「ニャー(お嬢様、ここへ来たのはヴィクトリア様の遺言で魔王になるためです)」


「そうじゃ。 おかあさまとのやくそくじゃ。 われはまおうになるのじゃ。」


「妹よ、俺も魔王のあかしを持っている。 兄弟でなかよく魔王になり、この魔族の国を治めようではないか。」


「ニャー(そのあかしとは、お嬢様の兄弟たちを殺して手に入れた魔導メダルです)」


「おまえ、おとうさまだけでなく、われのきょうだいもころしたのか?」


「違う! だまされるな! 父も兄弟も、殺したのはみんなその猫だ!」


妹が猫を見て、猫が首を振る。


「ニャー(彼はウソばかり言っています。 お耳を貸さぬよう)」


「嘘を言っているのはその猫だ! 俺はおまえの兄だぞ、血を分けた肉親だ。 対してその猫は赤の他人で、たかが獣人ふぜいではないか。 どちらが信用に足るか、火を見るより明らかだ。 俺の聡明な妹ならわかるだろう?」


「アルはわれをだましているのか?」


「ニャー(とんでもございません。 私はお嬢様の忠実な執事です。 第二王子はそもそもつい先ほどまで我々を殺そうとして攻撃していました。 今、逆に負ける事がわかって、だまして言いくるめようとしているのです)」


「そうか、わかったのじゃ。」


「妹よ、猫の言うことに耳を貸すな! そもそも猫の言っていることはおかしい! 城を攻撃されれば反撃するのは当たり前のことではないか! 先に手を出してきたのはそちらではないか!」


「それよりおまえ、おまえが ”だいにおうじ” とやらか?」


は?


「そうだ、第二王子チャールズ様だ。 今は魔王様と呼べ。」


「みんなおまえにころされるのをおそれてにげていたのじゃ。 エリザベスおねえさまも、われも、メリーアンも。」


「それはその猫の作った嘘だ!」


「うるさい。 ”爆散”」


幼い妹の魔力で魔力抵抗のある大人の体に干渉できるわけがない。


ましてや俺は現魔王、魔力に関してはほかの魔族と桁が違う。


しかも魔王の冠で魔力がブーストされている。


猫と妹を同士討ちさせるつもりだったが、ん? 冠が消えている?


それに体が熱い? 中の熱量がぐんぐん上がっていく?


いかん! おさまれ! 熱量を下げる魔法を体内に! 氷だ! 氷魔法を


あああぁぁぁ!


ひでぶっ!!!


第二王子は肉片と化した。


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