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1-6  スードの街


生まれてからずっとお城で暮らしていた。


命を狙う輩がいて危険だからと、外には出してもらえなかった。


お父様は魔王様。 お母様は知らない。 兄弟姉妹はたくさんいると聞いたが、大きくなったら敵になるとか言って会わせてもらえなかった。


気が付けばいつも執事のアルと一緒だった。


イライラしてヒステリーを起こし、よくアルに当たった。


お城の中も自由に歩けなかったのだから仕方がない。 反省はしていない。


そんなある日、お城に人族が大勢でやってきた。


これがお祭りというやつか? 花火もあったのできっとそう。


お城を壊して建て直すそうだ。


見てみたかったが、それよりも事件が起きた。


建て直すあいだ、お城の外に出れることになった。


世界を旅行できるらしい。 やったね! 楽しみ! うれしいな!


そして今、街の入り口にいる。




「ニャー(ここはスードの街です)」


「おおきなへいじゃな。」


「ニャー(城壁といいます)」


「どこからはいるのじゃ?」


「ニャー(門で門番の審査を受けて入ります。 順番に並んでいるので、しばし時間がかるでしょう)」


「ならぶのはいやじゃ。」


「ニャー(では我々は跳んで入りましょう。 幸い魔法壁はないようです)」


アルが転移魔法を使い、私たちは街に降り立った。


「ごちゃごちゃしたところじゃのう。 それになんだかくさいのう。」


「ニャー(人目を忍ぶためです、申し訳ございません。 大通りはこちらです)」


アルに案内され細い路地を出ると、


「おおーっ! とおくまでたてものでいっぱいじゃ!」


「うまがおる! うまがくるまをひいておる!」


「ひとぞくがいっぱいじゃ! ころしてもいいのか?」


「ニャー(殺してはダメです)」


「ニャー(今回の旅行は目立ってはいけません。 目立つと邪魔が入って旅行を続けられなくなります。 認識阻害もかけておきます)」


「あそこになにかあるのじゃ。 みにいくのじゃ。」


なんだろう? 道の端にはときどき大きなサービスワゴンがある。


そのうちの一つからいい匂いがしたので見に行った。


串で肉を刺したものを焼いていた。 いい匂いの正体はそれだった。


「ひとつくれ。」


「ああ、びっくりした。 お嬢ちゃんいつの間にいたんだい? はいよ、熱いから気をつけな。」


アルがおじさんと話して何やら渡していた。 


そんなことよりこれはどうやって食べるのだろう?


このままかじっていいのかな?


アルがうなずいたのでそのままかじった。


うまい! けど、熱い!


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