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3-15  岬の遺跡3


塔が崩れる前兆を見せたので、急いで馬車に戻って転移した。


墓地のそばで崩れる塔の土煙から馬車を守った。


ひときわ大きいお墓にも、シールドがかけられていた。


あそこがヴィクトリア様のお墓なんだろうな。


馬車の中で会議をすることにした。


「ニャー(第1回チキチキ明日の魔王は君だ会議~♪)」


「どんどんどん、ぱふぱふ~♪」


「ニャー(この塔は前魔王妃ヴィクトリア様が次期魔王の選定のために作ったダンジョンでした。 攻略したものには次期魔王の冠が与えられます。 今お嬢様の頭上で輝いているのがそうです。 つまりお嬢様は次期魔王になります)」


「ニャー(したがって旅の行き先と目的が変更になります。 これから我々は魔族の国に行き、偽魔王政権を倒し、魔王の座にお嬢様がつきます)」


「つぎのまおうに、われはなる!」


全員ポカーンとしている。 気持ちはわかる。 オレも本音は、そんなことしたくない。


「すみません、魔王って魔族でないとなれないんじゃあ?」


「ニャー(今までは平穏を望んでいたので隠していましたが、実はドロシーさんとクランベール様以外、みんな魔族です)」


「ベアトリス様も赤ちゃんもですか?」


「ニャー(そうです)」


王族だというのは、衝撃過剰だからまだ黙っておこう。


「メエー(そうすると魔導メダルを差し出さないといけませんか?)」


「ニャー(次期魔王の冠が顕現けんげんした以上、メダルはもう無意味です。 したがってメダルを集める必要がありません。 兄弟たちはメダルのために争う必要がなくなり、完全に自由となりました。 が、信用できる皆様には、できれば魔族の国の執政を手伝っていただきたいと思います)」


「私たちは人族ですが?」


「ニャー(お嬢様が魔王の魔族の国は、融和路線です。 人族と争うつもりはありません。 ドロシーさんとクランベール様には魔族と人族の友好の窓口になっていただければ、と思います)」


「メエー(メリーアン様はまだ赤ちゃんですが?)」


「ニャー(兄弟たちも仲良くお城で暮らしていただく予定です。 ただし仲良く出来ないものは追い出します)」


「けれど偽魔王政権?を倒すとなると、戦争になりますよね。 私たちは魔族相手に戦えませんよ?」


「ニャー(戦いはお嬢様と私で行います。 これに勝たなければ真の魔王と認めてもらえないでしょう。 皆様はこのまま馬車にいらしていただいて結構です)」


「メエー(無謀ではないですか?)」


「ニャー(魔王の冠には恐るべき効果がありました。 闇魔法の限界突破、魔法攻撃無効、そのとき魔力を吸収するか魔法を反射するか選ぶ事が出来る、その効果は腹心の部下にまで及ぶ、というものです。 つまり簡単に言うとお嬢様と私は、ほぼ無敵です)」


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