3-7 岬の遺跡2
「ニャー(ウィリアム様、その前に確認だけお願いします。 あなた方は第二王子側ですか?)」
「ワン(そちらから言え)」
「ニャー(いいでしょう。 我々は第二王子から逃げています)」
「ワン(そうか。 我々も第二王子側ではない。 だが、馴れ合うつもりはない。 しかしもしもウィリアム様の下につくというのなら、同行を許しても良い)」
「ニャー(下につく気はありません)」
「ワン(では、魔導メダルを置いてさっさと消えろ)」
「ニャー(あなた方に魔導メダルを預ける気はありません)」
「ワン(ということは我等を殺して奪う気か!)」
「ニャー(奪う気もありません。 王位相続権に興味がないのです)」
「ワン(ウソだ! 信用できない。 魔王の相続は子供同士で、殺すか下につかせてメダルを奪うか、殺されるか下についてメダルを奪われるかしかない)」
「ニャー(そして下についても結局裏切りを恐れて殺されるのです。 我々は殺されるわけにはいきません)」
「ワン(だから殺すと? もういい! ウィンドハンマー!)」
「ニャー(あれ?)」
「ワン(からの、バキュームストーム!)」
「ニャー(どこで間違えたのでしょう?)」
「ワン(からの、ウインドミキサー!)」
「ニャー(みんなで逃げましょうと言おうとしましたのに)」
「ワン(からの、イクエハリケーン!)」
「じい、スゴイー! やっぱりじいはスゴイ魔法使いだったんだなー。」
「ワン(ハアハア、もうだめだ、魔力が尽きた)」
「じい?」
「ワン(坊ちゃん、こうなったら最後の手段!)」
「ワン(塔に逃げ込みますぞー!)」
「ギャー! やめろー! 放せー! じじいー!」
「ニャー(どうして話を聞いてくれないんだろう?)」
「メエー(どうでしたか?)」
「ニャー(話は物別れになりました。 ふたりは塔に逃げ込みました)」
「メエー(塔の宝箱を先に獲られませんか?)」
「ニャー(あのふたりなら大丈夫でしょう。 ドーベルのほうが心配ですが、まあ脳筋だから大丈夫かな?)」
「メエー(あのふたりが罠でもがいていたらどうします?)」
「ニャー(お嬢様に自分の下につけとか言いましたからね、見捨てます)」




