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3-5  海沿いの道2


小山を下るとまた海が見えなくなった。 残念。


夕方になったので道脇の広場で野宿することにした。


野宿と言っても馬車の中は宿並なので、何の不便もない。


オレは馬の世話をしながら周囲の警戒をしている。


ドロシーとルカで夕ご飯を作っている。


シルブプレがそばに来たので聞いてみた。


「ニャー(メリーアン様の魔力の暴走を抑えているのはシルブプレさんですか?)」


「メエー(私とルカとふたりでです。 波が最大のときはひとりでは無理なのです)」


「ニャー(お嬢様は火炎系が得意なのですが、メリーアン様に魔力の傾向は見られますか?)」


「メエー(何度かご機嫌ななめになられたときに巨大な魔法陣が出かけたのですが、あれはおそらく召喚魔法です)」


ぬな? 第二王子軍を召喚されてはたまらんぞ?


「ニャー(絶対暴走させないようにお願いします)」


「メエー(もちろんです。 おや、目を覚まされたようです)」


みんなで夕ご飯を食べた。




夜はオレが警戒を担当し、みんなには休んでもらった。


魔物の気配は多いが、シールドを張っているので危険はない。


空には二つの月が輝いている。


異世界の月はなんで二つが常識なんだ?


火星か? フォボスとダイモスなのか?


平和な時間が過ぎていった。




翌日、馬車は海へと進んでいた。


「おおーっ! これがうみかーっ!」


「すごい広いですわーっ!」」


お嬢様たちに好評だった。


ここまま海の見える道を進むことになる。


「海で泳ぎたいのじゃーっ!」


え? まだ寒いよ? それにお嬢様泳げないでしょう?


「ニャー(かしこまりました)」


執事にNOはないのだ。


みんなに断って寄り道した。


崖を一部砂浜に変えた。


浮き輪と水着を用意し、100メル以内を安全海域にし、気温と海水温を上げた。


シルブプレの、甘やかしすぎじゃないのかというジト目が痛かった。


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