3-4 海沿いの道
「メエー(アルさん、大丈夫ですか?)」
「ニャー(! おはようございます、シルブプレさん。 すみません、寝過ごしましたか?)」
「メエー(いえ、みなさん、まだお休みです。 ですがちょっと外が騒ぎになっていまして)」
「ニャー(外?)」
「メエー(はい、どうやらダンジョンに異変があったようです)」
あ、やべ。
「ニャー(では騒ぎに巻き込まれないように、なるべく早くこの街を出ましょう)」
「メエー(わかりました。 そのように準備します)」
みんなを起こして、朝ご飯を食べさせて、馬車でこの街を出た。
最下層の秘宝、限界突破の首飾り(ここでは土魔法の)は、また手に入れられなかった。
でも土のアンクレットは手に入ったから、これで腕輪と合わせてお嬢様は、物理攻撃無効、土魔法100%アップ になったので良しとする。
お嬢様は火系魔法は天才なので次のダンジョンは飛ばして、やはり精神攻撃耐性の強化を図れるダンジョンを目指そう。
「ニャー(ドロシーさん、シルブプレさん、精神のダンジョンの場所を知りませんか?)」
「私は聞いた事がないです。」
「メエー(私もです)」
詰んだ。
「メエー(ですが、精神のダンジョンかどうかはわかりませんが、南の遺跡に 白亜の塔 というダンジョンがあると聞いた事があります)」
「ニャー(そこのモンスターの傾向は?)」
「メエー(うわさですが、ニンフだとかサキュバスだとか)」
ん? 一応精神攻撃なのかな?
「ニャー(ではそこへ行ってみましょう)」
南に進路を向けた。
小さな馬車だがその中はシルブプレの空間魔法によって、前よりも広く、前よりも快適になっている。
今はメリーアン様と、メリーアン様と遊びつかれたお嬢様とクランベール様が眠っている。
ルカによってベッドに運ばれ、シルブプレがお世話をしている。
オレは御者台に座り、ドロシーは見張り台で全方位警戒している。
ちなみに馬車はオレの慣性魔法で重量を軽減しているので、馬への余計な負担はほとんどない。
「海が見えます。」
小山を越えたところで進行方向に海が見えた。
これから海沿いの道を南に進むことになる。




