1-4 魔の森
「このもりはまどからみえたが、くるのははじめてなのじゃ。」
「ニャー(ではまずこの森を見学しましょう)」
本当はここから早く離れたいが仕方がない。
「おおーっ! いろんなまものがおるのじゃ!」
「みんなころしていいのか?」
「ニャー(みんな殺したら明日お嬢様が殺す魔物がいなくなりますよ。 向かってくるものだけでお願いします)」
「わかったのじゃ!」
襲ってきたオークが爆散した。
飛び散った血や臓物が服に付いたらきっとお嬢様は暴れだす!
ギリギリでシールドが間に合った。
遠くから近づく人族の軍隊に気をとられていて危なかった。
「ギャハハハ!」
耐火スーツの爆弾男のように爆散させまくりで走るお嬢様。
目立ちたくなかったが仕方がない。
まあ音を消しておけばすぐにはバレないだろう。
丁度いい方向に走ってくれている。
死肉を求めて集まる魔物も敵の足止めには丁度いい。
「アル。」
「ニャー(こちらに)」
「のどがかわいたのじゃ。」
すばやくテーブルとイスをセットして、冷えたジュースをグラスに注ぐ。
「ニャー(お待たせしました)」
グビグビ。
「プハー! みたか、いっぱいやっつけたのじゃ。」
「ニャー(はい、さすがです、お嬢様)」
「うむうむ。」
蛭や蜘蛛や毒虫たちは進入禁止。 今この空間はお嬢様のものだ。
「しかしこのもりはおおきいのう。 おわりがみえないのじゃ。」
「ニャー(では森の出口まで跳びましょうか?)」
「いや、みずがあってひらけたところにいきたい、そこでかわいいどうぶつをめでたい、そのあとでおひるごはんなのじゃ。」
「ニャー(かしこまりました)」
泉に跳んで、うさぎと遊んで、お昼を食べた。