2-18 オーミの街3 (※イラストあり)
鳴き声ではなく口癖とのことで納得せざるを得なかったが、正直聞くたびに力が抜けるので止めて欲しい。
そういう攻撃なのかもしれない。
気が抜けるが、気を抜けない。
獅子身中の虫作戦は失敗だったか?
しかしメリーアン様はまだ赤ちゃん。
お嬢様と天秤にかける事態にならない限りは、心情的に手を出したくない。
ので、胃に穴が開くくらいは我慢しよう。
お店でお嬢様たちと合流した。
「ニャー(お嬢様、よくお似合いです。 とてもかわいいです)」
「そうであろう?」 ムフー
「ニャー(クランベール様、素敵なお召し物をどうもありがとうございました。 それと、)」
「ニャー(お嬢様、街中でお嬢様の妹君のメリーアン様とお会い致しました。 今日から一緒の宿に泊まる予定です)」
「まあ! かわいい赤ちゃん!」
「ニャー(クランベール様、ダメです!)」
オレとドロシーでなんとか押し止められた。
「ニャー(まずはご挨拶を)」
最悪の事態を止められてホッとした。
初見で不用意に近づいた人間は、殺されること請け合いである。
念話でシルブプレに、クランベール様とドロシーのことを説明しておいた。
カモフラージュに使っている人族達だと。
メリーアン様は、お嬢様ふたりの心を鷲づかみにした。
宿では、ずっと構いっぱなしである。
しかし普通の赤ちゃんではないので、愚図ることなく、非常に喜んでいるようだ。
そこはうれしい誤算だろう。
ルカさんもパカパカ言って、お世話以外は微笑ましくその様子を見ている。
乳母なのでときどきメリーアン様にお乳をあげている。
お嬢様たちはじっとそれを見ている。
我々にはできない情操教育なので、よかったかも。
そう思ってドロシーに目で同意を訴えたら、睨まれた。
なぜだろう?




