9-2 イーブ温泉8
圧倒的多数で 次の旅先は、人族の国 に決まった。
お嬢様が人族にムカツいて 騒動になるのは目に見えている。
あれ? そういえば、ドロシーとクランベールって人族じゃなかった?
人族にも いろいろ いる?
「ニャー(ドロシーさん、クランベールさん、魔族や獣人の私たちが遊びに行っても大丈夫な 人族の国 はありますか?)」
「人族は一枚岩ではないです。 人族の中でも いろんな思想や宗教の国があって、いつも仲たがいしています。」
「私たちの国、フローレンス王国 は、獣人に忌避は ないですけど、魔族はどこの国でもダメですね。 大国メルーシア、リューセイ公国、シュピーゲル共和国、レギオス帝国 では、獣人も無理です。」
そんなにいっぱい名前を出したら、お嬢様が行きたがるでしょう! ドロシー、何やってんの!
見ろ、お嬢様が、卵をなでながら 目をキラキラさせている。
この目はきっとアレだ、悪い差別国家を滅亡させるつもり気、満々だ。
”ギガメテオ” を教えてなくて良かった。 あれは気候変動を巻き起こすから。
「また、海の向こうの島や別の大陸には、もっといろんな国があると聞いた事があります。」
島? 別の大陸? そこまで考えてなかった。 異世界は意外と広い?
ヤバイ! 旅の終わりが見えない! お嬢様が飽きるまでが 旅 です。
おやつは 250円です。 越えた分は食べて減らしてください。
こうなったら! こっそり大陸を海に沈めてやろうか。 って、オレのほうが危険思想だな。
そうだ、ポセインチアに怪獣の着ぐるみを着せて、大陸を襲わせようか。 自然災害ということにして。
そんなとき、ポケベルが鳴った。 イメージ、イメージ。 コールサインともいう。
はいはい。 おお、シルブプレさん。 お久しぶりです、やっとかめ。
え? 緊急事態? 魔王城が勇者パーティーに襲撃されている?
将軍達はどうしたのですか? 勇者パーティーは7人全員が勇者なうえに連携してきて、グルガー がやられて ゴーガ が苦戦中?
魔族は個人主義だから 連携が苦手なんだよなあ。 わかった、今すぐ応援に向かいます。 しばし持ちこたえてください。 チャーリー・タンゴ・インディア。
「ニャー(お嬢様、緊急事態です、魔王城が勇者達に襲われています、応援に行きます)」
「なんじゃと? ベリーパレス が?」
なんだそれ? 初耳ワード。 ゆうてる場合か。
みんな一緒に行きます。 ラプラスに搭乗。 転移準備。 ポセインチア戦闘準備。
「わん(あ、アルさん、たまごに ひび なのです)」
え? ドラゴン生まれるの? 今? 今 ちょっと取り込み中なんですけど。
全員の搭乗が終わり、転移の準備が整った。 整ってる?
「ではアル、しゅつげきじゃ!」
背中の卵のひびが広がってゆく。 う、生まれる。
「ニャー(か、かしこまりました)」
完 ~ ツテ猫の次回作にご期待ください ~
こんな ガイスラッ○ー みたいな終わり方は、いやなのじゃー!!




