8-13 ケルナグール3
ドワーフたちは平和を愛する種族のようで、新作魔導具に 武器類はほとんどなかった。
しかし、享楽的でもあるのか、実用品よりも圧倒的に嗜好品が多かった。
ちょっとドワーフとは、趣味が合う気がする。
子供たちには、ブロック崩しのゲーム魔導具を買わされた。
オレはこっそり、魔力で自動補充する マタタビたばこ の シガレットケース を買った。
なので、ドロシーがこっそり お酒を魔力で補充できるスキットル を買ったのを見逃してあげた。
ゲームもお酒もマタタビも、節度を持って楽しみましょう。
グラグラグラグラ
え? また地震? 頻発してない? 火山性じゃない?
ちょっと調べてみるか。 ”猫の目” 地下へ。 もっと地下へ。
うん、マグマが流れているな。 だから? よくわからん。
「ニャー(チカ、この地震の原因はなんだろう?)」
肩にユグドラシアにもらった 小鳥型ロボ チカ が、ひょっこり現れる。
「コノ ジシン ハ キタ ノ ブチコロス=カザン ノ カツドウ ガ ゲンイン ト オモワレマス」
ブチコロス火山?
「ニャー(噴火の確率と時期の予測を)」
「カザン ニ スム カザンリュウ シダイ デス」
火山流? 火山竜か! ドラゴンか!
ボルケーノ=ドラゴン! ドラゴン討伐!
いや、ないな。
別に悪さをしたわけじゃなし、存在しているだけで討伐とか、どこのドラゴンバスターだよ。
なにより寒い。 外に出たくない。
このくらいの地震なら、まだまだ大丈夫。
さあ、みんな、ゴハン食べて、宿に帰って、ゲームして、寝ましょう。
グラグラグラグラ
寝ていたら また地震が起こった。
知らん、知らん、ドラゴンなんて知らん、俺たちに関係ない。
お嬢様も みんなも 地震に気付かず眠っている。
念のため、地震で潰されないように、部屋の空間の魔力障壁を最大強化しておこう。




