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8-11  ケルナグール


忘れられていたドロシーは、列車の格納庫から無事救出された。


いつもの仕返しとばかりに、思い切り白い眼で見てやった。


「ニャー(ドロシーは当面 禁酒 です)」


「はい。。」


おお、反省しているようだ。  だったら近々許そう。


「ニャー(さて、長旅で疲れたので、早速 街に行って、宿を捜しましょう)」


駅から階段を上がって街に向かう。


「ニャー(のわー!)」


「わん(ドワーフのひとが、いっぱい なのですー!)」


その地下街は、とてつもなく大きかった。  そしてドワーフでいっぱいだった。


『きっとお祭りだわ~♪ 私も早く行きた~い♪』


待て、ティンプル、そのワードは、田舎者丸出しのセリフだぞ。


ここはキョロキョロせずに、自然に振舞うが正解のはず。


「ニャー(みんなで手をつなぎましょう。 迷子になります)」


全然自然じゃなかった。


梅田の駅前の地下街がこんな感じだったな。  人の流れに合わせないと歩けない。


小さい子はルカに乗せて、みんなで固まって 人ゴミに流されていった。


ふう、やっと人がまばらになってきた。


あ、宿屋のマークの看板がある。  ここでいいか。



部屋に通されて、やっと くつろげた。


「あつくるしいやつで いっぱいなのじゃ。 はんぶんくらい ころしてもいいか?」


「ニャー(ダメです)」


気持ちはわかるけど。


一服したら、食事や観光に行きたいけど、外に出るのは いやだなあ。


宿の人に聞いてみるか。


「ニャー(すみませーん、この街で魔導具を売ってるところ、教えていただけませんか?)」


「今、虹のまち で、新作魔導具の発表会やっててお祭り騒ぎさあ。 お客さんもそれが目当てじゃなかったのかい?」


本当にお祭りだったのか。


いや、虹のまち て、言い方が古い、あ、世界が違うか。


え?  新作魔導具?  それは絶対 見に行かねば。


いやいや、待て待て、もしかしたら、ゲームも進化してるかもしれない。


じゃあ ブロック崩し なら ギリセーフ、インベーダー は アウト、と決めておこう。


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