8-9 シバリヤ鉄道 (※イラストあり)
鉄道の駅は、村のさらに地下にあるそうだ。
場所を教えてもらって行ってみると、すごく寒い。
列車には暖房があるが、駅にはないそうだ。
ラプラスで空を行こうと進言したが、みんな鉄道に興味津々で、すげなく却下された。
ではお嬢様、お着替えの時間です。
地下鉄は景色も見えないし、長距離はつらいと思うんだけどなあ。
ケルナグールまでのコンパーメント席の切符を買った。
列車が来るまで待合室で待つ。
時間があるので、ジャックに 鶴 を折ってあげたら、みんなの分も折るハメになった。
すると、お嬢様だけ金色の折り紙でずるい という声が上がった。
じゃあ じゃんけん で勝った人に銀色の折り紙で折るから。
メリーアンが勝った。
メリーアン、じゃんけん、できるの?
赤ちゃんの成長は早いなあ。
そこで列車が来たので、みんなで乗り込んだ。
蒸気機関じゃなくて、魔導機関車だそうだ。 すげえな、ドワーフ。
さっそく売店で買ったお菓子を並べるお嬢様。
まあ、見る景色もないから。 って、窓の絵の景色が流れてるよ。 無駄にこだわってるな、ドワーフ。
お菓子を食べたら子供たちはみんな、列車の探検に行ってしまった。
ドロシーも行きたそうで、うずうずしているな。
子供たちの護衛と引率を頼むと、喜んでとんでいった。
残ったのは居眠りしているルカとオレの二人きり。
オレも居眠りのフリをして、ルカのもふもふを堪能しよう。
ルカのビンタで目が覚めた。
本当に居眠りしていたみたいだ。
ルカのもふもふに よだれのあと。 まて、待って。 話せばわかる。
ん? 列車が止まっている? もう着いた? 違う?
え? 子供たちは? まさか子供たちのイタズラが原因?
え? 車内放送によると、地震による線路のゆがみで、点検のため緊急停車?
あったよ。 朝、地震があったよ。 ちゃんと点検してよ。
で、子供たちはどこ? まだ帰ってない? わかった、呼んでみる。
『(ニャー(お嬢様、どこですか?))』
『(アルか、どこか わからないのじゃ。 まっくら なのじゃ)』
『(ニャー(すわ! シバリヤ急行殺人事件!?))』
『(かってに ころすな!)』




