1-15 フローレの街
昨日ダンジョンでエリザベスお姉さまと初めて会った。
一緒にいると危険だそうなので、今日私達は別の街に行く。
何が危険なんだろう?
お姉さまも兄弟姉妹に気をつけろと言った。
何に気をつけるんだろう?
アルは詳しく教えてくれない。
アルのくせにナマイキだ。 あとで折檻だ。
今はだめ。 今私は忙しい。 今私は駅馬車で戦っている。
今私は駅馬車で睡魔と戦っている。 負けた。 Zzz。
起きたらお昼だった。
街道の脇の広場に馬車を止めて、みんなは外で休憩している。
私も降りよう。
「アル?」
「ニャー(ここに)」
「おなかがすいたのじゃ。」
「ニャー(どうぞ。 サンドイッチとジュースです)」
むぐむぐ。
「つぎのまちは、まだとおいのか?」
「ニャー(今晩は野宿で明日の夕方に到着の予定です)」
「もうばしゃはあきたのじゃ。 どうにかするのじゃ。」
「ニャー(かしこまりました)」
えっ? できるの? ということは、できるのに黙ってやがったな。
駅馬車の人にアルがなにか言っている。
「ニャー(では行きましょう)」
「こっちになにかあるのか?」
「ニャー(人目は避けねばなりません)」
村へと続く小道の途中、人の目がなくなった場所で、私たちは転移した。
「ニャー(着きました。 フローレの街です)」
「はやっ!」
「ニャー(お嬢様の身分証明はないので、また密入街しますね)」
この街は魔法防御壁で囲まれているらしく、地下に潜り、井戸を経由して街に入った。
「ん? なんだかこのまちおおきくない?」
「ニャー(ええ、この街はこの国、フローレンス王国の王都です)」




