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8-5  ムチャシバク


ラプラスを収納して、みんなで雪山登山した。


オレは全身防寒装備のため、見た目は猫の 着ぐるみ である。


まあ、着ぐるみを 脱いでも、猫なんですがww


動きづらいので、お嬢様の ”超能力” を拝借し、”念動力サキコキネシス” で、登りも 階段も 地下通路も すいすいすー である。


こんならくをするのは、寒いところだけですよー、普段はちゃんと歩かないとダメですよー。


おまえがゆうな?  あ、はい。



地下通路を幾分進んだところに、門番がいた。


ヒゲモジャで、ズングリしている。  ビッケのハルバルとうさん みたいな。


ドワーフだ。


ドワーフの言語って何語だ?  まあいいや。


「ニャー(こんにちは。 観光に来ました。 通してくださいな)」


ギョッとしている。  あ、みんなを地面に降ろさないと。


これでよし。  え? 違う?  この着ぐるみ?


ズボッ。  これでいいですか?  ん? ウケてる?  猫から猫が出た?  ほっとけ。



おもしろかったから と、通してくれた。  それでいいのか、ドワーフ。


こんなこともあろうかと用意しておいたウイスキーを差し入れしたら、喜んでくれた。


一気飲みされたのには驚いたが。  アニマルハウスか。


っていうか、門からこっち、全然寒くない。  むしろ、暑い?  みんな、服 脱ぐよ。


服を収納して坂を下っていくと、村に出た。


っていうか、村か? これ。


小奇麗な通路が右に左に延びており、通路の左右に長屋くらいのドアの無いスペースがずっと並んでいる。


そこにいわゆるドワーフたちがひとりずつ入っていて、思い思いのことをしている。


鍛冶をしたり、絵を書いたり、彫刻をしたり、彫金をしたり、ガラス工芸をしていたり。


ドワーフたちの種族性だろうか、おそろしくマイペースのようだ。


見学しながら歩いている異種族のこちらを、だれも見向きもしない。


いかん、宝石研磨のところにお嬢様が かぶりついて離れない。


原石を研磨して宝石が生まれるところを見て、お嬢様のニタニタ笑いが止まらない。


ほかのみんなは、何かを大鍋で煮込んでいるところで足止めされた。


それってスープじゃないよ。  きっと錬金術の薬だよ。


まるでウィンドウショッピング。  ちょっと楽しいな。


あれ?  ここって、地下街だっけ?


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