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8-1  ナグルドツク国


ドワーフの国、ナグルドツク では、雪が舞っていた。


曇天の空を進む 怪鳥馬車ラプラス の身体を揺らす、北の風は厳しい。


だが、ラプラス の身体が揺れている理由は、北風だけではなかった。


馬車の中で子供達が、鬼ごっこ をしていたのだった。


「ギャハハハハハハ」


満面の笑みでみんなを追いかける、ベアトリスお嬢様。


みんな必死の形相ぎょうそうで逃げ回っている。


そこまで真剣にならなくても。


でも真剣にならなければならない理由があった。


「つかまえたのじゃ!」


哀れ、小さい体がわざわいし、お嬢様の毒牙にかかる、妖精?ジャック。


毒牙て。


バリバリバリバリ!!


煙を出して倒れるジャック。


エネルギー衝撃波。


体内のエネルギーを衝撃波にして、接触している相手にぶつける必殺技。


受けた相手は死ぬ。   うそうそ、こっそりジャックに 【ヒール】 を飛ばす。


超能力に目覚めたお嬢様に、俺が使い方を教えてしまった。


それ以来、お嬢様は、誰彼だれかれかまわず ぶちかます。


失敗、失敗、てへぺろ。


当然、俺の株がまた下がった。


みんなが白い目で俺を見る。  どうにかしろと目で語る。


どうにかできるものなら、もうしてる。


お嬢様の性格の悪さをナメるなよ。


ちなみにお嬢様の エネルギー衝撃波 は、俺には通じない。


対策を知っているから。  ぶつけられたエネルギーを吸収すればいいのです。


これは極秘なので、誰にも教えません。  教えても普通できませんけどね。


みなさんでお嬢様の遊びに付き合ってあげてください。


そのうちエネルギーが切れて、パタンと寝ますのでww




ううう、これって、まさか、マメゾー先輩の得意技の、ミク○イド・ショック!?


猫の執事の人だけじゃなくって、黒い服の子も、監視対象に追加すべきかも。


いや、申請報告書を書くのが面倒だよ。


だまっておこう。  そうしよう。  Zzz。


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