6-24 バジス湖5
みんなが寝静まった頃、バジス湖の湖上で、赤 青 黄色と 緑の火の玉が4つ、ダンスを踊っていた。
「ゴエモン先輩、こんなとこで何してんスか?」
「ガハハハッ! よくわかったな! なんでバレた?」
「そりゃわかりますよ。 扉魔法とかそんな魔法、この星にないんですよ? あれ、先輩の得意技の スターゲイト ですよね。」
「ガハハハッ! すまんすまん、つい、な。」
「そのせいで例の猫に技をコピーされて、ますます手がつけられなくなったんですよ?」
「マジか? そりゃスマン。 ってかモタモタせずにとっとと しょっ引こうや。」
「この猫、悪さしてないんで しょっ引けないんスよー。」
「そういや俺が守ってた寄生先の病気を治したり慰めたりしてくれてたな。 いい猫じゃねえか。 無実。 終わり。」
「いやいや、無実なんスけど、暴走しないか見張りが必要なんスよー。」
「面倒くせえなあ。 ああ、そういや新入り、英斗くん? 君、カボチャくんと融合しているねえ。」
「ギクーッ!」
「は? 英斗、そうなの?」
「はい、あ、いえ、あの、その、ちょっと、だけ、失敗しまして・・・」
「あちゃあ~。 まあいいわ、24時間以内なら、分離は面倒だけどできるから。 いつから?」
「あ、はい、あの、その、い、一週間前くらい、前、かな、と・・・」
「英斗くん?」
「は、はい。」
「どうすんの? もうカボチャくんの自我が完全に融合しちゃってるじゃないの? もうカボチャくんはあなた、あなたがカボチャくん!」
「・・・!」
「まあ今回は丁度いいかもだ。 ロック、ナナ、お前らを呼びに来たんだわ。 別の星で大捕り物だ。 ツラ貸せや。 新入り、お前一人で猫 見張っとけ。」
「・・・!」
「なあに、早けりゃ1年で帰って来れる。 それじゃ留守番、頼んだぜえ。」
「英斗、がんばれ。」
「英斗くん、しっかりね。」
「・・・!」
「マジか・・・」
東の空に明けの明星が輝く頃、三つの光が宇宙へ飛んで行った。




