6-6 ゴーズ砂漠4
解説しよう。
異世界には回復魔法がある。
怪我や衰弱や内臓損傷、強力なものでは部位欠損なども直せる、奇跡のような魔法である。
だが不摂生などが原因の慢性的な病気などは、それによっても直せない。
でも、似た魔法である治癒魔法を使えば、軽い病気や急性中毒や症状を軽くしたりすることはできる。
しかしそれでも直せない致死性の病等もある。
そんなとき異世界では、病を誰かに移して、当人の病のみを治す事が出来る。(移した先の病はそのまま。)
そんな病移魔法を使えるものを病移師と呼ぶ。
病移師は希少で、国に数人いるかいないかなので、重要人物に指定され、手厚く保護されており、国の許可無くそう簡単に会うこともかなわない。
そんな病移師に会いに来たという、このワンコはいったい・・・。
ちなみに病を移す先は、基本生け捕りにした魔物なので、害虫駆除と同じなのでご安心を。
「ニャー(もしかして病気なのはあなたですか?)」
「わん(はい、じつは そうなのです・・・)」
どれどれ、ユニークスキル ”猫の目”。
ははあ、獣人特有の 『尻尾 癌』、余命は幾許もなし、か。
どうしよう、コマンド魔法を使えば、”病移し” もたぶんできる。
しかしこの子は何かを隠している。
まずそもそも 女の子わんこ であることを隠しているようだし。
でも身の安全のために隠しているなら、暴く必要もないし。
また、助けてあげる義理も理由も無い。
かといって、砂漠で助けた命を病気で散らすのを、見殺しにするのも忍びない。
さて、どうしたものか。
「アル、このこを たすけることが できるか?」
「ニャー(はい、おそらく可能です)」
「じゃあ、たすけてやるのじゃ。」
「ニャー(かしこまりました)」
さすがお嬢様、ええ子や。




