表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/167

5-29  セモール村3


「まままま、魔王?  魔王様?  浅田まおうちゃんじゃなくて?」


なんか前にも聞いたような。


「ニャー(お忍びで遊びに来たのですが、手ひどい歓迎を受けまして。 そこでこの村を焼き払うにあたり、一言ご挨拶をと思いまして)」


「ややや、焼き払う?  ななな、なんで?」


「ニャー(ゴミというか、クズというか、生かす価値などないでしょう、こいつらに)」


シュバババッ


「おお、お待ちください、魔王様、それは殺生せっしょうです。 一寸の虫にも五分ごぶの魂、じゃなくって、わわ、私たちは出来る子なんです。 最初に魔王様だと言っていただければ、純粋でかわいい妖精を演じる事だってできるんです。 そうです、あなた方は女子高に行ったことがありますか? 女子高生は、外面を天使に演じていても、仲間しかいない女子高の中では、みんなこんな感じなんです。 夢を見すぎなんです、幻想を持ちすぎなんです。 外ではその期待に応えようと、頑張って一生懸命演じているんです。 唯一気を許せるこの村で、本音を出しただけで、焼き払うなんてひどいと思います。 どうか、どうかお、考え直しくださいませ~!」


妖精王は土下座した。


・・・・なるほど、ここは女子高か。


外から見たら天使の園に見えても、中は実は だらしないクズ女の巣窟吹き溜まり。(偏見です)


妖精の村も同じで、夢見て憧れるだけで、現実に来てはいけないところだったんだ。


だから簡単に来れない様に、あんなに幾重にも結界が張られていたんだ。


納得した。


「ニャー(妖精王様、納得しました。 我々は足を踏み入れてはならない秘密の花園に来てしまったのですね。 憧れだけで勝手に来てしまい、理想を押し付けていたとは、気がつきませんでした。 このことは誰にも言いませんので、これからも 『妖精』稼業 がんばってください)」


「あああ、ありがとうございます~!」


「ニャー(みなさん、帰りましょう。 転送)」




イーブ温泉 まで戻った。


今日はここでゆっくりしよう。


それから みんなで、これからの予定を考えよう。


疲れた。


あ、ジャック と ティンプル も連れてきてしまった。


まあいいか。


あれを見てしまったら、ポンコツの ティンプル も、かわいい妖精に見えないこともない。


ではみなさん、お風呂に入ってゆっくりしましょう。


え?  もちろん私も御一緒しますが?


ええ、私にはお嬢様のお世話という重大な責務がございますから。


え?  私がどんどんポンコツになってきているのではないかと?


それは心外な。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ