5-28 セモール村2 (※イラストあり)
「アル、あいつら ひどいのじゃ。 われのことを ちんちくりん だの れっかのじゃひめ だの いうのじゃ。」
涙目で戻ってきたお嬢様を抱きかかえる。
「ニャー(そんなことはございません。 お嬢様は世界一かわいい のじゃ姫 です)」
ビリビリビリ 「ニャー!(ニャー!)」
「ニャー(ど、どうして私に電撃を?)」
「なぜだか バカにされたような きが したのじゃ。」
なぜバレたし。
「アル、このむら、やきはらって いいか?」
「ニャー(お待ちください、お嬢様。 なかにはいい妖精もいるかもしれません。 それにまだ口だけで、危害を加えられてはいません。 個別に対処しましょう。 まずは村の代表に会いに行きましょう)」
「ことばも あくしつな ぼうりょくだと おもうのじゃ。」
「ニャー(ティンプル! 村の代表まで案内してください)」
『呼んだ~? え? 代表? 妖精王様かな? わかった~、こっちこっち~。』
みんなで妖精王様に会いにいくことにした。
『うっわ、獣よ、獣。 なんか獣くさ~いww』
『人間もいる~。 人間って同族を殺すのよね~、バカで野蛮~ww』
『ねえねえ、あの赤ちゃん、柔らかそうじゃない~? あれをボール代わりにドッジボールしようよ~ww』
ホントろくでもねえな。
見た目はとってもメルヘンな妖精の村、お花畑の真ん中に、花で飾られた白い小さな庵があり、
白いテーブルセットで、人と同じ大きさの綺麗な妖精の娘が、優雅に花の蜜のお茶を嗜んでいた。
『妖精王様~、ティンプルで~す!』
娘は無視してこちらを見ようともしない。
『なんかこいつらが妖精王様に会いたいんだって~!』
こいつらて。
まあ ティンプルは ポンコツなだけだから、まだいいか。
「ニャー(妖精王様、はじめまして)」
一瞥したがすぐ目線を戻す。
「ニャー(魔族の国ベリーランドの魔王様の執事、アルフレッドと申します。 そしてこちらの方が)」
「われが まおうの ベアトリス じゃ。」
妖精王はお茶を吹き出した。




