5-27 セモール村
みんなで ふれあい動物ランドを満喫したので、次の村へ行くことにした。
ってか、ここって村だったのかなあ。
精霊の国はわけがわからないなあ。
霧の森の迷路を抜けて、次の村に着いた。
あ、すぐ着いたみたいに書いてるけど、今度は3日かかった。
転送術式で、いくら進もうとしても戻され、幾重にも結界が張られ、
それら全てを無効化して、やっとのことで次の村に着いた。
そこは今回の目的地、妖精の村だった。
ティンプルみたいなのがいっぱいいる。
ジャックみたいなのは・・・いないな。
しかしティンプルにはガッカリしたからなあ。
純粋でかわいい妖精がいっぱいだといいなあ。
『なぁ~んだ、イケメンいないじゃん。』
『な~に、あのオッサン猫。 ないわ~。』
『忌み子のジャックがいる。 誰か遠くに捨てたって言ってなかった?』
『みんな~、たっだいま~♪』
『ティンプル、あなた帰って来れたの?』 チッ
『せっかくお祭りの村に置き去りにしたのに。』 チッ
『あ~あ、鬼畜ごっこ失敗~。 やっぱり東京タワーで捨てないと~。』 チッ
なんだこいつら。
ティンプルのほうがまだ 増しな性格 だったとは・・・。
こいつら クソども だ。
お嬢様を外に出したくないなあ。
「アル、ようせいが いっぱい じゃ。 はやくドアを あけるのじゃ。」
「ニャー(かしこまりました。 でもこちらをお持ちください)」
ラケット型ハエたたき(電撃)を持たせた。
「ニャー(なかには不愉快な輩がおるやもしれません。 そのときはこれで撃退してください)」
「? そんなやつは ばくれつ するのじゃ。」
「ニャー(魔王と知られたら旅を続けられなくなりますよ?」
「むう、わかったのじゃ。」
「かわいいのう。 かわいいのう。」
期待に無い胸を膨らませるお嬢様。
だが、飛び出たお嬢様が、電撃ラケットを振り回し始めるのは、あっという間だった。




