オープンカフェ
掲載日:2017/11/09
冷やされた朝の海岸線
小さなオープンカフェの
艶やかな黒いマグと
淵までみなぎるたっぷりのラテ
描かれた葉っぱの絵が
息を吹きかける度にゆれる
観光客の疎らな足並み
無邪気な笑い声と
まだ満ち足りない好奇心が
新鮮なまま通り過ぎれば
目の端によぎる憧憬
昨日の靴を履いた足を組む
海面を点滅する白い光は
美しく加工された
ポストカードのように夢みがちで
ラテの軽い泡は
うっすらと上唇をなぞり消えていく
掠めるのは焦燥より薄いから
余分に透けていく遠い朝
潮風は
水平線を行き渡らせて
木のベンチ
街路樹の椰子、珈琲の香り
まばたきは眩しさに反応するよりも
古びた壁に写真を貼りつけるように
低く雲の浮かぶ空に
定まらない視線を置いて
見つめ返すように認められたい
私もまたその景色として
平らかに眺められるように




