これは夢だ!
帝都高校という名称から分かるとおり、この世界は現実ではない。
この世界は日本は日本だけど東京は帝都であり
アメリカはベイリカでロシアはツユシアだしイギリスはヒデリスと微妙に違う。
コンビニに行けばセブンイレブンではなくナナイーイーになっていた。
マンガでよく見るよね、大人の事情でちょっともじってあったりするの。
そして
「このマンガはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」
ってマンガの柱(欄外)に書いてあるのよね。
自分の頭にある記憶は自分のものというより、再現ドラマや映画の物語のように実感はない。
その実感のない記憶の中からこれから何をすべきか考えると、明日も学校という結論が出たので、適当に自炊して寝ることにした。
そして翌日。
おきると枕元に黒のクリアファイルがあった。
体を起こしあたりを見回す。
窓、鍵がかかっている。
ベットから起き上がり玄関のドアを確認する。
こちらもカギがかかっている。
ビクビクしながらトイレやクローゼットを確認するが何の気配もない。
だが枕元には寝る前には確かになかったクリアファイルが転がっていた。
ツンツンとペンでつついてみても何の反応もない。
思い切って開くとそこにはこのマンション(建物全体)の権利書と、その家賃収入の振り込まれた通帳が入っていた。
全て、母部田一名義の。
ふ、ふははははは!
確信した!
これは夢だ!夢に違いない!
こんな大金突然毎月私に支払うなんて現実にありえるわけがない。
トゥルーマン・ショー(人生を人間観察のリアリティ番組にされた男の映画)が現実にあったとして、さすがに性別も年齢も変えるなんてそんなのは無理だ。
私は鞄に今日の授業の教科書を突っ込むと朝食も取らず家を飛び出した。
足取りは軽い。
記憶の中にあるストライカーMのライバルキャラクターの顔。
2.5次元の舞台じゃない
生の本人にあえる!!
そう思うと三十分の通学時間も一瞬に思えた。
記憶によると私の席の前が有馬文吾の席らしい。
少し早く投稿しすぎたのかまだ教室には投稿していない生徒の方が多いくらいだった。
「俳優のサトリョウと歌手のririkaが付き合ってるんだって!!」
「ぎゃああああ!嘘ッ!それ本当だったら私死ぬ!」
「昨日のさあ、TVバカだったよな~」
うるさい。
ボリュームが壊れたかのようにそれぞれが大声で話している
「やっべシャー芯忘れた!みっくん芯かして~」
「貸してってことは返せよ~」
頭の上を文房具が飛ぶ。
「うぼりょ~ん(何かの一発ギャグ)」
おまえら・・・・小学生か――――――――!!!!!!!
自分が高校生だったときは分からなかったけど。
集中して緊張した甲子園の高校球児があんなにフレッシュなんだもの。
巣の何も意識していないしかも16歳なんて…。
小学生と4歳しか変わらないのよね!
私(五十三歳児)からみたらお子様だったわ!
夢なのか現実なのか伏線なのか……
とりあえず好きなものを買うのに困らない生活になりました
まあ中の人のスキルだと学業のかたわらネットとかで商売初めて結局お金には困らなさそうです