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ジグザグ  作者: 千紫紅
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第1話 「人生色々あるのは分かりますが・・・」



現代の日本人の寿命は大体80ちょいくらいらしいデス。

あ、これ男と女じゃ大分誤差があるからね。

まぁ統計を見ると男の方が5〜6年短命なんだけど、皆さん酒と煙草には気をつけよーね。

後、メタボリック症群・・・不慮の事故は諦めて下さい。


つまるところ何が言いたいのかって言うと・・・結構長生きなんですよ、人間は。だから80年の間に色々なことが起こるわけで、多かれ少なかれ波があるんだよね。

いや、こんな事16年しか生きてない小娘に説かれたくないって言うのは分かりマスよ?


でも、ねぇ?


波があるって自分で言いましたケド・・・。

ちょっとコレには唖然、呆然。

確かにあたし、16年しか生きていません。

計算すれば平均寿命の5分の1くらいしか生きていませんヨ?


これまでもまぁまぁ大変な目に遭ってきて、人生何が起こるか分からんのだなぁ〜とか、あそこの雑草は茹でればイケル。とか、そんな教訓や知識を身に付けて来ましたがね、今回の件はさすがのあたしも吃驚だよ。本当に、マジで。(アレ?しまった同じ意味か)


どうやら結構混乱しているみたいですよー。

さてはて、バイトから帰って来てみれば家――と言っても借家でいつ壊れるのかって程オンボロの≪花坂壮≫――が跡形もなく綺麗さっぱりなくなっていたのです。あははは。

コレってマジック?特大イリュージョンですか。


つか真面目に考えてみても、どーやって一日で壊したんでしょうか?いくらオンボロだったからって驚異的スピードすぎるでしょうよ?果たしてここの住人たちは無事なのか?

もしや花坂壮とともにお空の星に・・・あり得る。

挨拶を交わす程度の付き合いだったけど・・・骨くらいなら拾っても良かったのに・・・墓は無理だけど。



――と、過ぎてしまったことを考えていても、寝床が降って湧いてくるわけでもなし・・・これからどうするのかが大事だよね?

幸い今は春で、野宿しても凍え死ぬことは無いし、理由は違えど、野宿なんか沢山しているからねー。もうプロの域だから安心だよ?(なにが。


そうと決まればと、あたしは鞄から財布を取り出す。

所持金1052円――上等じゃないか。

コツコツ貯めていた貯金もあるし≪人生何があるか分からない≫を教訓としているあたしは、キャッシュカードも通帳も印鑑だって肌身離さず持っている。


フフフ、抜かりは無いぞー。


真夜中、道路の真ん中に突っ立って含み笑いをしている自分。

あー不気味ですよね、気持ち悪いですよね、スミマセン。


そんじゃ早速、公園に行って寝床調達といきましょーか。

あたしってばここら辺の野宿に最適な公園は、全てリサーチ済みだからさ~。自慢にならないけどね!こうやって簡単に野宿といっているけれど、ホームレスな方々にだって領分というものがちゃんとあって、新参者が易々と温かいダンボールハウスに入れるわけがないんだよねぇ。警察や公園を利用する住民の方々の目もあるし・・・。だからこそ一つの公園に留まるのではなく、複数の公園を利用する必要があるわけで。日々の公園リサーチは無駄じゃなかったぜ!!――――ということなのです。


ボロでもガタでも良いから安い物件が見つかるまでの間なので、どうか警察には補導されませんように。


ここから一番近い公園を目指して歩きながら、ふと、夜の静けさに身を竦める。



「・・・明日は、どうなるんだろーね・・・」



夜闇に紛れて呟いたちょっと弱気な発言は、誰も聞いていない。

それでいい。それがいい。

こんな日があるから、あたしは生きてやろうって思うのだろう。

よーし。明日も明後日も楽しく生きてやろーじゃないか!

何故か喧嘩腰になりながら――あぁ、相手がいないからあたし痛い子じゃないか・・・もしくは変人ですか・・・。



はい、そんなこんなで今日という日も終わるのです。






読んで下さって有難う御座います!

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