I don't know
私は吐きそうだった。
さっきまで『セネっち成長秘話☆』を見ていたのに、いつのまにか腹を抱えて地べたに転がっていたのだから、パニックでアル。
てか、お腹がメチャクチャ痛い。
なんとか起き上がろうともがいていると上から声がした。
「二度とこんなことをしないで頂戴。迷惑だわ!」
いかにも高貴デスワという感じのこの声。
そう、奥様の声だ。
セネっちのお母さんであり、虐待の主犯。
なんで上から声が聞こえるんだろう?
イヤーな予感がして上を見上げると、奥様がいた。
「ギャアアアアアア」
おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい!
なんで奥様がここにいる?
映画の中の登場人物じゃないか。
奥様は眉をキッとつり上げると
ガッ
「ゲホっ」
痛い。お腹がジンジンする。
蹴りやがった、アイツ。
最低だ。
いや、冷静になれ。
何かがおかしい。
まず、奥様が大きすぎる。
そうだ、私はそんなに小さくはない。
なのに奥様が大きすぎる理由は、
1.奥様は巨人
2.私が小人になった
3.勘違い
4私が子供に若返った!
124はない。
ってことで3に決定しました。
とりあえず、確かめるためにジャンプする。
床に転がった状態で
無理でした。
ジタバタしてただけだったよ。
お腹すいた。
奥様は飽きたのかいつのまにかいなくなっていた。
胡座をかいて自分の手を見る。
可愛い幼児の手だ。
泣くよ?
まあ、ジャンプ出来なかったからここは恐らく現実。
もしも、夢だったら私はジャンプできる。
なぜならそれは長年の夢だから!
あと、お腹が空いたなあ。